陸上自衛隊で唯一の存在である「部隊訓練評価隊」。対抗形式の訓練を通じて全国の部隊を適正に評価し、陸自全体の強さを底上げするために活動する彼らの任務や装備について紹介しよう。 全国の普通科部隊の「道場」 富士訓練センター 全国の普通科部隊が、自らを鍛えるために挑む「道場」。それが、部隊訓練評価隊を中心とした「富士訓練センター」、通称FTCと呼ばれる組織だ。 FTCには、訓練の統裁および評価分析を行う部隊訓練評価隊本部(北富士駐屯地)、敵役部隊となる評価支援隊(滝ヶ原駐屯地)、そして機動訓練評価装置など訓練で使う器材や施設が含まれる。 「私たちの隊員は、皆高いモチベーションと使命感を持ち、自ら考える能力を持っています。それが、強さの源泉ですね」と、部隊訓練評価隊隊長の加々尾1佐 「FTCでは、1~2個普通科中隊を基幹とする部隊による、攻撃または防御訓練を行うことができます。年間、約20回の訓練