~ AZX Coffee Break Vol.26 ~ 日本のベンチャー業界における種類株式の利用は、いわゆるITバブルの頃に米国型の投資手法にならう形で優先株式を発行する事例が多くなったものの、その設計の複雑さや発行後の運用の煩雑さから種類株式の利用状況が落ち着いたが、その後、商法改正やその後の会社法の施行などにより、設計の自由度が上がったこと、また、日本における投資環境が厳しくなる中、VCが投資先への監督を強化するとともに、より有利な形でのExit形態を追求する傾向が強まってきたことを背景に、日本においても種類株式の発行が徐々に浸透してきている。そこで、改めて会社法における種類株式の設計の留意点について解説を行うこととした。なお、本稿においては、未上場の取締役会設置会社を前提として、一般的なベンチャー投資において、種類株式の内容として規定される事項を中心に解説を行う。 種類株式とは内容