子どもの頃から、ずっと犬を飼っている。今同居しているのが、ミニチュア・ダックスフントのラッキーだ。 これまで飼った犬は、帰宅すると「ご主人さま、お待ちしていました」というようにしっぽを振って出迎えてくれた。ところがラッキーは気が向いたときだけしか来ない。ソファの上で寝起きのことも。目をショボショボさせて「ああ、帰ってきたのね」とちらりと見る程度だ。犬は忠実だというけれど、そうでもないということを教わった。 ところが、こんなラッキーにも異変が起こったのだ。 先日、知人が数日間旅行に行く間、飼い猫のトラちゃんを預かった。犬におびえないよう、ラッキーから隔離してリビングの上の部屋に入れた。 ラッキーは突然登場した「住人」が気に掛かるらしい。トラちゃんが高い所から飛び降りる音がすると、階段の所に走って行って仰いで見る。 預かっている間、ラッキーは私の出迎えを欠かさなかった。呼ぶとすぐにや