2002年12月に経済産業省から発表されたITSS。すでにIT企業の3~4割が導入済みであるという。しかし、当初の目的通りにIT人材育成に効果を発揮しているとはいえない状態にあるようだ。この連載では、ITSSの実態を把握し、IT人材育成に生かされていない原因を追究したうえで、解決の方向性を検討してみる。 ITSSは多くのIT企業で導入され、活用されている。ITSSの現状を把握したうえで、IT人材育成に効果を発揮しているのかどうか、また、発揮していないのであれば、その原因は何なのかを検討してみる。 ITSSの導入状況 2008年1月29日に情報処理推進機構ITスキル標準センターより発表された「IT人材市場動向予備調査報告書」によれば、ITSSは全体の約3割の企業で利用されており、従業員1000人以上の大企業では、6割を超える企業ですでに利用されているようだ(図表1参照)。
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