「改革」を語らない小沢代表は、歌を忘れたカナリアと同じ (田中 秀征=福山大学教授) 民主党の小沢一郎代表が、参院選を前に、自らを崖っぷちに立たせた。 「参議院で与党を過半数割れに持ち込むことができなければ、今期限りで政界を引退する」と明言したのだ。既に、そうなったら代表を辞任すると約束していたから、さらに一歩踏み込んだ発言である。 小沢さんは、本当にその覚悟で今回の参院選に臨んでいるように見える。この発言、報道陣に聞かれたから答えたが、もともと与党が過半数を維持する結果が出たら、その時点で引退の意向を明らかにするつもりだったのだろう。 これは政治家として当然の覚悟だと思う。今の日本の政界には小沢さんのような覚悟を持っている人がいないから奇異に思う人もいるかもしれないが、国民は小沢さんの決意をよく理解して拍手を送っているだろう。 ただ、このことが選挙に大きなプラスとなるかという