東京大学工学部を卒業後、同大学院医学系研究科で脳神経医学を研究した中野信子(なかの・のぶこ)さん。脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する幅広いコメント活動を行なっています。 最近では、東京藝術大学大学院国際藝術創造研究科で主にキュレーションについて研究するなど、「学び」に対する飽くなき好奇心は衰えるところを知りません。 そんな中野さんは、「興味がないことは覚えられないし、自分がつまらないと思うことを覚えてもたいした意味はない」と言います。中野さんが考える、学びの本質とは——。 構成/岩川悟、辻本圭介 写真/塚原孝顕 【学びの格言1】テーマのなかに「入り込む」と忘れない 一般的に、私たちが勉強で何かを記憶するときは、そのまま一語一句を「覚えよう」と努力する——これが、多くの人がもつ記憶(暗記)のイメージでしょう。 でも、私の覚え方は、少し違っています。勉強