富士山の世界遺産への登録が決まったことを受け、今後は遺産の厳重な管理と景観が損なわれないよう、保全対策をどう進めるかが大きな課題です。 世界遺産への登録に向け現地調査を行ったユネスコの諮問機関=イコモスはことし4月、富士山について、保全の取り組みが一部、不十分だとして、3年後までに対策をまとめ、世界遺産委員会に報告するよう勧告しました。 この際、イコモスは、富士山やその周辺で進む開発が遺産の価値を脅かしているほか、年間30万人を超えるまでになった登山者の増加が、斜面の崩落などの問題も引き起こしているとして対策を急ぐべきと指摘しました。 特に世界遺産に登録されることで、今後、登山者が一層増えることが予想され、環境や景観が悪化するおそれがあります。 このため、地元の自治体などでは登山者を適切な人数に抑え、環境の保全対策の財源になるとされる「入山料」をことし8月に10日間ほど試験的に任意で集める