インタビュー 【文理融合】「歴史情報学」~古文書をデジタル化し新たな知見を目指す 後藤真さん 2023.02.20 一條亜紀枝 / サイエンスライター 文理にまたがり、両者を融合する学問領域は新しい時代の象徴といえる。その先端を拓く研究者にインタビューする随時掲載企画【文理融合】の第1回は「歴史情報学」。古文書をデジタル化し、これまでになかった新たな知見を得ることを目指す。20年以上にわたって歴史情報学に取り組み、この分野をリードする国立歴史民俗博物館(歴博)研究部准教授の後藤真さん(総合研究大学院大学文化科学研究科准教授)に、歴史情報学のこれまでとこれからを聞いた。 正倉院文書をデータベース化 ―歴史情報学とはどんな学問ですか。 一例を挙げると、紙に書かれた古文書をもとにデータベースを構築します。そもそも歴史資料は、博物館や資料館などの収蔵庫に保存され、誰もが見たいときに見られるものでは