「息子さんと思われる方が亡くなったようだ。確認してもらいたい。最短でいつ来られますか」 在ウクライナ日本大使館からだった。 ▶ウクライナ侵攻に関する記事一覧 *フォロー機能が使えます 遺体左腕に渡航前彫ったタトゥー すぐに国際便を手配し、11月15日に隣国ポーランドの首都ワルシャワに到着。爆撃が続くウクライナには入国できず、大使館の連絡をホテルで待った。「間違いであってほしい」。祈るしかなかった。 2日後。大使館とのビデオ通話で、遺体の映像を見せられた。ウクライナ東部ルガンスク州の前線でミサイルが近くに着弾し、破片が左側頭部を直撃。首都キーウ(キエフ)に運ばれてきたと聞いた。体には血の跡が残っていた。左腕に「SAMURAI」のタトゥー。渡航直前に「彫った」と見せられた記憶があった。「確かに息子だ」。全身の力が抜けるのを感じた。 「入隊試験に落ちたらすぐ帰る」 「銃は持たない。英語のスキルが