理化学研究所(理研)数理創造プログラムの広野雄士客員研究員、岡田崇上級研究員、宮﨑弘安上級研究員、日高義将客員研究員の研究チームは、「ホモロジー代数[1]」という数学の手法を用いて、複雑な化学反応ネットワークを単純化するための新たな縮約手法を開発しました。 本研究成果により、複雑な化学反応ネットワークを、その重要な性質は保ちつつ、より小さなネットワークへと単純化し、効率的に解析することが可能になります。本研究は物理学者、数学者、生物学者から成る研究チームによるもので、分野横断的なアプローチの有効性を示す例となっています。 生体内では数千種類の化学反応が連鎖してネットワークを形成していますが、このような複雑な化学反応系[2]の振る舞いを理解するのは容易ではありません。 今回研究チームが開発した縮約手法は、化学反応ネットワークから部分構造を選び、その部分構造を除去するとともに反応の適切な再結合