〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Überbau の訳語 ) 社会の経済的な土台である下部構造の上に、下部構造による制約を受けて形成されるもの。政治的・法律的・哲学的・道徳的・美的・宗教的な社会的観念ないし意識形態(=イデオロギー)と、それに対応する組織や制度。いったん成立すると、下部構造に逆に作用して、その発展を早めたり遅らせたりする役割を果たす。[初出の実例]「上部構造の進化は基底の進化に遅れることを原則とする」(出典:文壇ギルドの解体期(1926)〈大宅壮一〉一) マルクス主義の社会理論ひいては歴史理論における基本概念の一つ。下部構造(土台)Basisと対概念をなす。唯物史観(史的唯物論)においては〈人々が生の社会的生産において入り込む一定の,必然的な,彼らの意思から独立な諸関係〉すなわち〈物質的な生産諸力の一定の発展段階に照応する生産諸関係〉の一総体,この〈社会の経済的構造〉を下部構