存在者の第一の特徴は、他と区別できることだと思います。人間は犬と区別でき、犬は猫と区別でき、生物は無生物と区別できる。他と区別できるということは、その者がある領域に限定されていることだと考えます。すなわち、空間的(物理的な意味だけではなく、論理的な意味も含めて)に有限であるということです。 また、存在者の第二の特徴は、生成され、構成され、消滅するものであると言えます。人は生まれ、成長と共に形作られ、やがて、消滅する。星も生成し、発展し、やがて消滅する。このように時間的有限性の中にあると考えられます。 それに対して、「存在」は、全ての「存在者」の前提であり、それ自身は、決して限定されることなく、空間的時間的に無限です。なぜならば、もし、「存在」が限定された何かであるとすると、その限定された何かは、既に「存在者」であり、その存在者の外に別の何かを想定しなければならなくなるからです。 「存在」自