コンピュータで演算を行う為には、最低限どれだけのエネルギーを必要とするか? 答えはゼロ。 理論的には、演算そのものに必要なエネルギーはいくらでも小さくすることができる。 なぜ、ゼロで済むのか。 それは、コンピュータを全て可逆な素子から作り上げることができるからだ。 可逆な素子で構成されているということは、演算結果から演算前の元の状態に戻せるということである。 もし演算の途中でエネルギーを失っているのであれば、結果を元の状態に戻すことはできない。 従って、可逆な素子から成るコンピュータは余計なエネルギーを一切必要としないことになる。 それでは、可逆な素子から成るコンピュータとは一体どのようなものであろうか。 可逆な素子とは、演算結果である出力から入力が再現できる素子のことを指す。 例えばNOTという演算は、結果に対してもう一度NOTを施せば元の状態を再現できる。 ゆえにNOTは可逆である。