含水率が繊維飽和点以下になると、木材は収縮を始めます。この時、繊維の配列と細胞の組合せによって、方向ごとの伸び縮みの割合=収縮率は異なります。 針葉樹、広葉樹を問わず、どんな樹種も板目(接線)方向が最も大きく収縮し、ついで柾目(半径)方向が大きく、長さ(繊維)方向にはほとんど収縮しません。これを収縮率の異方性と言い、接線10:半径5:繊維0.2〜0.5と大きな差があります。(ただし、樹種や比重などによってかなり異なる場合があります。一般的に接線方向と半径方向の収縮異方性は低比重材ほど大きいといわれております。) 100mm角のサイコロ状の生材を乾燥させたとして、接線方向は10mm、半径方向は5mm縮むのに対して、長さ方向は縮んだとしてもわずか0.5mm。気乾材の場合でも、板目板の幅方向では含水率が1%変化した時に約0.2〜0.4%収縮するのに対して、柾目板の幅方向はその半分ほどです。いずれ