ほとんどの人は知らないだろうが、11月上旬は年金週間(6日~12日)である。そのせいか、国民年金のテレビCMが頻繁に放送されていた。スタジオのように見える場所で、江角マキコが「将来年金がもらえなくなるかもって、言ってたの誰?」と、持ち前のでかい態度で若い男女数十名を相手に詰問する内容だ。CMは、「今納めていれば必ず受け取れる、それが国民年金」と結ぶ。もちろん、いったい何歳から幾ら受け取れるかは明らかにされていない。 このCMを見てやや居心地の悪さを感じる所がある。確かに、国民年金の収納率は急落し、62.8%(前年から8.1ポイントの低下)になり、特に若年者で下落が著しいので、若年者を啓蒙する必要があるのかもしれない。しかし、この年齢層では経済的に納付が困難な者が少なくない。納付免除制度が厳格化したことによって新たに納付を求められる層は、若年に多いだろうし、もともと若年者の失業率は決して低く