上りが苦手な人、上りに入ったらすぐに息が乱れて、ついには降りてバイクを押さなければならない人にとって、今のヒルクライムブームは理解できないだろう。「なんでわざわざ苦しみに行くんだろう」と思い、同じ人間ではないのでは?とも思うかもしれない。しかし、それでも裏では、もっとラクに上れるようになりたい! もっと速くなりたい!と思っているはずだ。平地ではそんなに違わないあいつが上りではどうしてあんなに速いの?という疑問は、誰もが抱いたことがあるだろう。 「何が違うの?」。その答えは、ひと言で言うと"マイペース"で走っているかどうかである。テレビで見るツールの山岳地帯では、まるで平地のように飛んでいく選手たちの姿が映し出される。集団で上っているときには息を乱しているようにも見えない。レースにおいて選手たちはマイペース以上のハイペースで走っていることも多いが、長距離のレースでそのハイペースを作り出すのは
「ペダリングなんてカンタンじゃん!」と思っているアナタ。それはある意味で、たしかに正しい。 ペダリングとは、「ペダルに置いた脚を上下動させることでクランクを回転させる行為」といえる。これは自動車のエンジンにおいて、ピストンの往復運動がクランクを介して回転運動へと変換されるのと同じメカニズムだ。したがって、ペダルに固定された脚を上下動させるだけで、クランクアームはきれいな弧を描き、バイクは勝手に進んでくれる。「ペダリングはカンタン」と思ってしま う理由は、おそらくここにある。 脚が発揮した力をできるだけムダなく効率的にバイクの推進力へと変えるためには、クランクが回転する方向に、トルクをムラなく均一にかけ続けることが重要になる。これには「(片脚で)足を円状に回せる技術」(=動作様式)と「(両脚で)トルクを円状にかけられる技術」(=筋出力発揮)の2つが必要となる。 「ペダリングは難しい」と思って
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