※『海賊と呼ばれた男 上巻』の感想はこちら 男は、信念を貫いたー『海賊と呼ばれた男 上』百田尚樹 - おとなの読書感想文 四面楚歌。 敗戦から2年、国岡商店を待ち受けていたのは、まさにそう称するべき苦境でした。 当時、「七人の魔女」と呼ばれ業界から恐れられた、7つの石油会社がありました。 それらはすべて欧米列強の会社であり、圧倒的なシェアを盾に石油業界を牛耳っていました。 敗戦国である日本の石油会社は「七人の魔女」に業務提携を迫られ、たちどころに経営権の大部分を彼らに受け渡していきました。 そんな中、頑として「民族経営」を貫いた会社がありました。 国岡商店。 日本の石油産業を外国に牛耳られまいと、闘うことを決めた唯一の会社でした。 「石油産業を支配されるということは、日本の経済を支配されるということである」と訴え続けた国岡は、欧米を中心とした国際石油カルテル、そしてそれらのカルテルと提携を