システム開発における言語的要素の重要性について、書籍を参照しつつ私見を整理する。 導入 世の中には「文系プログラマ」という表現がありますが、私もそのカテゴリに入る人間です。それも文系度はかなり高く、文学部でいわゆる思想史的なことを勉強していたんですね。文系の思想研究とソフトウェア開発との間には、かなり深い溝が横たわっていると思う人が多いですし、私自身も当初はそう思っていたのですが、時間が経つにつれて両者の間には相通じるものが確かにあると考えるようになってきました。それはどちらも本質的には「言葉」を扱うものだということです。特定の処理はどう実現するかよりはむしろ、どう表現するかという問題であるということですね。より正確に言うならば、この実現手段と言語的表現を限りなく近づけることができるパラダイムがオブジェクト指向である、ということなのかもしれません。 特定の抽象度からある概念を捉えること。そ
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