4月22日、菅義偉総理は世界40カ国が参加した気候変動サミットで、「2030年度の温室効果ガスを2013年度比で46%減らす」という意欲的な目標を打ち出しました。日本はこれまで「26%減」を掲げていましたから、大幅な上積みになります。 このふたつの話は、企業と政府の環境対策という意味で共通します。ただし、その内実は、直感的に考えるよりも、複雑で興味深いものです。ペットボトルがなぜアルミ缶に代わるのか? そしてなぜ温室効果ガスの削減目標が急に大幅に上積みになったのか? その秘密を一緒に考えてみましょう。 アルミの精錬は大量の電力を必要とする そもそもアルミニウムという素材は電気代の塊だということから話を始めたいと思います。学校で習った方も多いと思いますがアルミは地殻を構成する元素の中で酸素、ケイ素の次にありふれた元素です。にもかかわらずアルミは鉄よりも価格が高い。理由は精錬する際にたくさんの