「小さな政府」を掲げた小泉政権も例外ではない。歳出削減と減税を進め、あとは民間部門の成長による税収の自然増に期待しただけだ。抜本的均衡策も、めざすべき均衡水準も示してはいない。麻生政権はその小泉路線を修正し、膨張する社会保障費の抑制の手をゆるめた。つまり80兆円の膨張を許したのだが、財源をまかなう増税には動かず、赤字が膨らんだ。 「小泉改革」は頓挫したのだし、麻生政権は不運だった。財政出動は少なすぎたくらいだ。朝日の弁はなんのことはない永久不滅の官僚国家幻想だ。この問題を持ち出すなら、まずマイルドインフレのインタゲが必要だった。 そしてそれ以前に、というか、小泉改革の終点であるべきだったのだが、「めざす国のサイズを示せ」では、さらに国家を小さくすべきだ。これは朝日がいうような「国内総生産(GDP)に占める歳出、歳入の比率」ではない。市民生活に介在する国家権力を最小にして、可能な妥当な福祉が