昨日のエントリを書きながらローマーの教科書を参照していたが、今日は彼によるこの辺りの説明を少し自分なりに整理してみようと思う。 ローマーの説明では、以下のケーガンの貨幣需要関数を前提にしている。 ln(M/P) = a - bi + ln(Y) ここでMは名目貨幣残高、Pは物価水準(よってM/Pは実質貨幣残高)、iは名目金利、Yは実質所得であり、aとbは係数である。 現在のように名目金利が0に近い状況を仮定すると、上式でi=0と置いて M = exp(a)・P・Y となる。これは貨幣数量式にほかならない(exp(a)がマーシャルのkに相当)。 一方、名目金利がゼロでない場合には、上式は m = exp(a-br)・Y・exp(-bπ) となる。ここでrは実質金利、πはインフレ率である(i = r+π)。また、実質貨幣残高をmとした*1。 C≡exp(a-br)・Y と定義すると m = C