斎藤幸平さんの『人新世の資本論』を読んだ。 資本主義は限界を迎えており、格差や気候変動といった問題を資本主義による経済成長によって解決するのは、結論としてもう無理であると書かれていた。トリクルダウンのような無限の経済成長を前提とした格差の解消は失敗に終わり、資本の運動に身を任せて「成長」を続ければ世界が良くなるといったものは虚妄や神話に過ぎない。脱成長を目指し、社会のシステムを抜本的に再構築する必要があると書かれている。そのためにコモンズ(公富)によるレジリエンスが必要であると。ピケティなどの主張にも繋がる本だった。最近だとサンデル教授のメリトクラシー批判にも同様の主張が垣間見えるけれど、ようするにもはやこの世界は「公正」ではないのだとあらゆるところで書かれている。それが結論なのでしょう。いまやそれは当たり前の前提として共有されるべき話になっており、それをもとに政策を打ち出しているのがバイ