(2010年11月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) アジア諸国は裕福になるにつれて、必然的に西側諸国に似てくるのだろうか? 言い換えるなら、繁栄したり「近代的」になったりするには、西側諸国を成功させた特質をアジア諸国も体得しなければならないのだろうか? この問いを持ち出すと、現在の中国に関するかなり浅薄な議論になってしまうことがよくある。中国は一党独裁体制の下で高度経済成長を遂げており、豊かになるにつれて必然的に民主化が進むだろうという予測を裏切っているためだ。 西側の思考を取り入れないと近代化できないのか? だが、この問題をもっと厳密に論じた学者が2人いる。1人は、アジアを研究した影響力のある学者で、先週末死去したチャルマーズ・ジョンソン氏。 もう1人は、『Somebody Else's Century(他人の世紀の意)』と題したアジアに関する著作を今年発表したパトリック・スミス