フランスの大統領フランソワ・オランド氏は決断力で知られる指導者ではない。しかし、今週は同氏らしからぬ非情さが発揮され、アルノー・モントブール経済相が更迭されることとなった。 今年に入ってから、モントブール氏は内閣で最も口数の多い左派閣僚になっており、改革派のマニュエル・バルス首相を苛立たせてきた。 気性の激しい社会主義者であるモントブール氏は先週末、政府の政策に対する批判をさらに強め、現在の財政赤字削減の取り組みは「経済的に常道を外れた行為」で「財政的にもばかげている」と息巻いた。 これを受けてオランド氏は、モントブール氏や政権に異を唱えるそのほかの左派閣僚を更迭し、バルス首相は内閣を改造することになった。 表面的にはフランスにとって朗報に見えるが・・・ 表面的には、モントブール氏の排除はフランスにとって良いニュースのように見える。オランド大統領は2年前の着任以来ずっと、経済政策の方向性を