文化の日。「国民の祝日に関する法律」第2条によれば、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨とする。それでは、それがなぜ11月3日でなくてはならないのだろうか。実は、70年前、1946年(昭和21年)のこの日、日本国憲法が公布されたのである(なお、5月3日の憲法記念日は、翌47年(昭和22年)に憲法が施行された日である)。日本国憲法が自由や平和、文化といった理念を重視していることにちなんで、この日は祝日とされた。 その日本国憲法をめぐる情勢は、いまや新たなステージに入りつつある観がある。改憲を志向する勢力が、国会において憲法改正発議に必要な「3分の2」を獲得し、憲法審査会での審議がまもなく再開するからである。改正を視野に入れた憲法論議は今後、ますますホット・イシューとなってくるだろう。 2016年7月に刊行された駒村圭吾=待鳥聡史(編)『「憲法改正」の比較政治学』(弘文堂)は、そんな