4月11 平岡昭利『アホウドリを追った日本人』(岩波新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 台風情報などでよく聞く南大東島。この島は周囲を20メートルほどの断崖絶壁で囲まれた島で、人が上陸することはかなり難しい島でした。ところが、1900年になるとこの断崖をよじ登って島に上陸する人々が現れます。しかも、その人々は沖縄の人々ではなく200キロ以上離れた伊豆諸島の八丈島からやってきた人々でした。 「なぜ八丈島の人々は遠い島の断崖絶壁をよじ登ったのか?」これが著者をとらえた疑問だといいます。 また、日本の最東端の南鳥島。台風などが来ればひとたまりもない絶海の孤島ですが、ここにも明治期の日本人は進出していきました。 この日本人を南洋の孤島へと駆り立てたもの。それこそがこの本のタイトるにも出てくるアホウドリなのです。 この本は、「アホウドリを追った日本人」の姿を追うことで、日本の「南洋進出」の原動力