バカヤロー経済学、竹内薫 あっ! この本めちゃくちゃ面白い。 本屋で適当に買った本だったんですが、思いがけず2009年度経済系読み物のNo.1 です。 ものすごく分かりやすくて、それでいて現在の世界を読み解く高度な経済理論が全部理解できる。 本当に2、3時間の読書ですごく本質的な部分が分かってしまう。 比較優位の原理 マネーサプライ マンデル・フレミングの理論 国際金融のトリレンマ ・ ・ ・ こう言った極めて重要だけど多くの人によく理解されていない概念を、これほど分かりやすく簡単に説明している一般書を僕は知らない。 ただの理論の本ではなくて、実際の今の日本のどろどろとした政治・経済の具体的な問題を鮮やかに解説している。 日本を代表するサイエンス・ライターの竹内薫と「先生」との対話形式で本書は進んでいく。 実はこの謎の先生、本当は共著でこの本を出版する予定だったのだけれど、つい最近社会から
先日、ある雑誌の読書アンケートに『さらば財務省!』を挙げたら、編集者が申し訳なさそうに「高橋さんの本はちょっと・・・」という。過剰コンプライアンスも、ここまでくると「村八分」である。 本書も高橋洋一氏に竹内薫氏が質問する企画だったが、例の事件で高橋氏の名前が削除され、竹内氏の単著になってしまった。竹内氏によれば、高橋氏と出版社の協議の結果、「こうするしか原稿を救う方法がない」とのことでとられた措置だというが、主な著者を匿名にして出版するのは異常である。なぜ高橋氏の名前を消さないと出版できないのか。出版社がいやがったのか、取次が扱えないといったのか。もちろん彼の犯罪は弁解の余地はないが、それと本の内容は別だろう。 ともあれ、本書はふざけたタイトルの割にはちゃんとした内容の本で、地底人(と本書も書いている)の本のような初歩的な間違いはない。入門書としては話の展開が荒っぽく、必要な知識がバラ
今月の『文藝春秋』に出ている浜矩子氏の「ユニクロ栄えて国滅ぶ」という原稿が話題を呼んでいる。日本経済のスーパースターと目されるユニクロが日本経済を滅ぼすと主張しているので、私も見出しに引かれて読んでみたが、唖然とした。彼女はこう書く:この過激なまでの安売り競争は、さらに一段の不況地獄の先触れではないだろうか。少し落ち着いて考えてみればいい。250円の弁当で1食すませる生活が当たり前になれば、まともな値段の弁当や食事は「高すぎる」ということになってしまう。(強調は原文)もう少し落ち着いて考えてみよう。「まともな」値段とは何だろうか。浜氏は原価に「適正利潤」を乗せた価格を想定しているようだが、これは誤りである。少なくとも経済学でいうまともな価格(均衡価格)は、限界費用と等しい水準であり、利潤はゼロになることが効率的なのだ。そういう競争をしたら「経済がどんどん縮小してゆき、デフレの悪循環に陥って
雑誌『オルタ』の7-8月号が「北欧神話?―グローバリゼーションと福祉国家」という特集を組んでいます。 http://www.parc-jp.org/alter/2009/alter_2009_07-08.html この最初の市野川容孝さんと小川有美さんの対談がなかなか面白い。 >小川 ところで市野川さんは『社会』という本をお書きになられていますが、北欧にとって「社会」はもっともベーシックなキーワードで、社会(ソーシャル)を抜きにして国家(ステート)は語れません。ただ北欧の場合、国家に対して社会があるとの考えが希薄で、スウェーデン語の「社会」という言葉の中には「国家」の概念が入っているといわれています。社会が解決しなくてはいけないというときは、市民社会だけでなく国家も含め解決しなくてはいけない。この社会と国家の近い関係は、ラディカルな市民社会論の立場からは、「北欧の社会運動や環境運動は飼いな
共同通信の取材。 テーマは少子化・未婚化・婚活。 同じテーマで何度もしゃべっている。 同じことを何度も書くのも疲れるけれど、基本的なことなので、繰り返す。 「少子化問題」というものは存在しない。 例えば、新石器時代に「少子化問題」というものは存在しなかっただろう(その時代に生きたことがないので想像だが)。 その時代の集団において、「最近、みんな結婚しないし、子供が生まれないのはまことに困ったことだ」というような問題があったとは思えない。 そんな問題をかかえた集団は数世代で(はやければ一世代で)消滅してしまったはずだから、そもそもそれが「問題」として意識される暇さえなかった。 「親族を形成する」というのは人間が人間である基礎条件の一つだからである。 それは「労働する」とか「言語を話す」ということとほとんど同レベルの「当為」である。 「最近、みんな労働ないので、困ったものだ」というような悠長な
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