Som Berthiot Flor 50mm f3.5。 聞き慣れない名を持つこのレンズは、「幻のような絵を描いてくれる」一本です。 どういう意味だ、と思いましたか? 論より証拠、まずは作例を見てください。 明らかに今時のレンズとは異なる描写です。 明るい部分がにじみ、暗い部分も浮いている。 周辺は落ち込み、全体としてふわっと柔らかい。 それでいながら「崩れた」感じはない。いわば、絵としてちゃんと成立している。 今時のレンズではこうはなりません。 もっとくっきりはっきりと写ります。文字通り「真を写す」かのように。 今では失われた表現がそのまま残っている。 これこそオールドレンズの魅力でしょう。 本日はこのFlor 50mm f3.5について紹介します。 1:どういうレンズなの?Som Berthiot(以下ベルチオ)はフランスの光学メーカー。 1838年(!)創設の会社を源流とし、1964