いま、仕事を終えて帰ってきたのだが、マンションの駐車場に車を停めた途端、ドーン、という音とともに、最初の一発の花火が上がった。 いま、妻と息子は、義兄一家と一緒に、あの花火を会場で眺めているはずだ。 ああ、なんかせつないなあ、僕も花火観たかったなあ、と未練がましく駐車場で5分くらい眺めていたのだが、なにぶんにもここからは手のひらくらいの大きさにしか見えないので、部屋に戻って、小さな花火の音混じりのクーラーの音を聴きながら、これを書いている。 息子はいま、どんな顔で花火を観ているだろう。 5歳児にとっての、花火大会。 僕は子どもの頃、花火大会が嫌いだった。 暑いし、怖そうな人が多いし、綺麗といっても同じような模様が上がるだけで、ワンパターンだし。 ただ、出店でふだん食べられないようなヤキソバやたこ焼きを食べるのは好きだったのだ。 30年前は、ヤキソバやたこ焼きが、コンビニで毎日買えるような時