2017年のフランスの期間合計特殊出生率(注1)(以下、出生率)は1.88であり、平均が1.59のEU加盟国の中で最も高い水準にある。出生率の高さが移民によって支えられているという指摘がある(注2)一方で、国立人口調査研究所(Ined)の研究結果(注3)によると、非移民がフランスの出生率の高さを支えているとの指摘がある(注4)。 移民も非移民の高い出生率 国勢調査(Recensement de la France)によると、2017年の新生児76万人の母親の18.8%、14.3万人が移民であった。2009年には16.0%で、移民を母親とするフランス生まれの子どもの割合は大きくなっている。 国勢調査によると、2009年の出生率は非移民が1.91、移民が2.77、全体では2.00であった。したがって、移民の出生率が全体の出生率を0.09ポイント押し上げたことになる(図表参照)。同年に誕生した子