タグ

ブックマーク / blog.tinect.jp (759)

  • おれたち日本人には「信仰」がわかるのだろうか?

    リチャード・ドーキンスをひさびさに リチャード・ドーキンスといえば『利己的な遺伝子』で一世を風靡した学者である。そのドーキンスが無神論のを著したことはなんとなくしっていた。しっていたが、とくに読んでいなかった。読んでいなかったが、ふと目に止まったので読んでみた。 とくに宗教に関しては、もはや時代は変わったのではないか。十分な知識を持つ人が、世間一般の考えは誤りであり有害であるとの結論に熟考のうえでいたった場合、それを広く知らしめることは、いまや義務とみなされているように思う。少なくとも世人が耳を傾けるような地位や名声を得ている人には、それが求められている。 こうした人が宗教を信じていないと公言すれば、「不信心」(じつに不当な呼び名である)は低い知性やよからぬ性分に由来するという世に流布した偏見は、たちどころに根絶やしにされるだろう。世間の評価も高く、名士と言われるような人たちのどれほど多

    おれたち日本人には「信仰」がわかるのだろうか?
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/07/01
    面白かったです。それはそうとして、ごく当たり前に仏教や神道と生きている人って、こんな風に思案はしないよね、少なくとも普段は。もっと生活習慣や地域の行事のなかに、それがある。
  • すべてのおっさんの心に「自分だって若い女性にモテてもいいじゃないのか」という気持ちはないだろうか。

    りりちゃんのマニュアル 少し前に「頂き女子りりちゃん」が話題になった。この世の中には頂き女子というものがいて、頂けられてしまう「おぢ」がいるということだった。 正直、おれはあまりこの事件に興味をもっていなかった。おれには関わりのなさ過ぎる世界の話だからだ。しかし、ふと、次の記事を読んでしまった。 名古屋「22歳頂き女子」にだまされたおじさん2人が特別対談「僕らがバカだった。若い女子がおじさんとの“餃子の王将デート”を喜ぶはずがない」 なんととくべつな対談なのだろうか。おれは夢中になって読んでしまった。 そして、「りりちゃん」のマニュアルを読みたくなった。マニュアルくらいにしては判決が重いな、と思ったような気がしたし、どんな内容なのだろう。もちろん、マニュアルだけの罪ではないが。 して、おれはマニュアルを読んで驚いた。これはすごいな、と思った。どのようなすごさかというと、たとえば新入社員とか

    すべてのおっさんの心に「自分だって若い女性にモテてもいいじゃないのか」という気持ちはないだろうか。
  • 行き違いを防ぐには:職場と家庭のソリューション

    最近、我が家で起こった行き違いから始めさせてください。 そのとき私はレコーダーに残っている『ブラタモリ』の録画を整理していて、まだ見てないものと記念にとっておきたいものを残しつつ、もう観なくて良い放送回や最終回以降も録画し続けてしまったゴミ録画をレコーダーから削除してしようとしていました。 そのとき嫁さんからこう言われたのです。 「見てない録画は消さないで」と。 「うん、わかった」と答えて、私は録画の整理を続けました。 すると、リストのなかに天気予報を録画してしまったものが残っていたんです。一瞬、手が止まりましたが私はそれも削除しました。が、これがダメだったことが判明します。 その天気予報の録画の正体は、なんと、まだ見ていない大河ドラマ『光る君』の録画だったのです。 先週の日曜日、たまたま録画の設定が外れてしまっていたので、放送直前に嫁さんが直接録画ボタンを押して録画したため、タイトルが『

    行き違いを防ぐには:職場と家庭のソリューション
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/06/20
    寄稿させていただきました。行き違いを家庭で防ぐための方法について色々やってみたんですが、さりとて医療現場や自衛隊みたいな言葉遣いになるわけにもいかず。情報と情緒の両方を扱うとなると、難しいですね。
  • DoCoMoの25周年スペシャルムービーを見ると凄まじく感情が動くので書き殴ってしまった

    いまから7年前の2017年、とんでもないCMが世に放たれたことを皆さんはご存知だろうか。 DoCoMo25周年スペシャルムービーCM「いつかあたりまえになることを」。 このCMは4分にもおよぶ長さのためTVCMというより、もはやショートムービーなのだけど、とにかく破壊力が高いのでまずはしっかりと見てほしい。 なにこれ。 おそらく、この動画を見終わって、多くの人がこんな状態に陥ったんじゃないだろうか。 なんかしらんけど泣ける。 ただ、そこにあるのはあまりに複雑な感情なはずだ。 ありきたりで分かりやすいそれと違って、心の奥底がザワザワするような、敏感な場所を得体のしれないもので撫でられているような、まるでどこかで自分が経験したかのような、そんな感覚が生じているのだ。 もちろん、そうでない人もいるのだろうけど、それを言い出すと話が始まらないので、みんなそうなったと思い込んで話を進めていく。 感情

    DoCoMoの25周年スペシャルムービーを見ると凄まじく感情が動くので書き殴ってしまった
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/06/14
    読みました。このムービーの直撃世代として、感じ入るものがありました。大変良かったです。
  • 当直明けの日に投資の取引をしてはいけない

    いつもbooks&appsに好き勝手に寄稿させていただいている、精神科医の熊代亨です。 このbooks&apps来、「ビジネスパーソンを励ますwebメディア」なのですね。そこで今日は心を入れ替え、ビジネスなパーソンの参考になるかもしれないことを書かせていただきたいと思います。 とはいえ私に書けるビジネスっぽい話題なんてしょっぱい失敗談ぐらいのものですから、ひとつ、ご笑覧いただければと思います。 私の投資はセンスゼロ→考えないほうがマシ しょっぱい失敗談とは、株式をはじめとする投資についての失敗についてです。 私は20代の頃に見よう見まねで証券会社に口座を解説し、取引なるものをやってきたのですが、いっこうに上手くなる気配がありません。 なにごとも安い時に買い、高い時に売ればうまくいく、それから手堅い投資信託に積み立てておけばうまくいく、そのあたりが原則だと思うのですが、つい、買ってしまっ

    当直明けの日に投資の取引をしてはいけない
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/06/06
    寄稿させていただきました。数々の失敗をとおして、私は「当直明けの日に投資の取引をしてはいけない」という真実にたどり着きました。同業者の方、夜勤のある方、これはガチだと思います。読んでください。
  • 「失敗するかもしれないから、やらない」という発想自体が、すでに失敗。

    最近、SNSで「生存者バイアス」という言葉をやたらと見かけます。 生存者バイアスだろ https://t.co/PYLeKHa8Nj — 宇宙医ヌ (@QBotud) May 31, 2024 生存者バイアスとは「うまくいった例だけに着目して、失敗に注意を払わないこと」に対して使われる言葉です。 「厳しい環境においたら成長できる」←無数の死体(精神疾患になった人)を無視してるだけの生存バイアスなのだ。 生き残れる人は元々メンタルが強いってだけのオチなのだ。 — 沼ずんだもん (@nuoo15gjwdg) May 17, 2024 確かに、彼らの言う通りです。 ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、成功例しか見ずに一般論を語る人間の傾向を、「自分の見たものがすべて」(WYSIATI)と紹介しています。 限られた手元情報に基づいて結論に飛びつく傾向は、直感思考を理解するうえで非常に

    「失敗するかもしれないから、やらない」という発想自体が、すでに失敗。
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/06/05
    中盤にいいことが書いてある
  • 手取り19万円の栄光の終わりに

    舵のない舟 かくて早くも彼の心は、洗練された隠遁の地、心地よき無人の境、人間的愚かさの絶えざる氾濫を遠く逃れた、びくとも動かぬ、なまぬるい方舟を夢みつつあった。 ユイスマンス『さかしま』 さかしま (河出文庫) 思えばおれの人生というのは舵のない舟に乗って川を流れてきただけだ。みすぼらしい帆や、壊れかけのエンジンはついていたかもしれない。ただ、流れてくるように、流れてきた。 おれは人生に興味がなかった。正確にいえばおれはおれの人生に興味がなかった。明日、どうしよう。五年後、どうしよう。大人になったら、どうしよう。なに一つ向き合ってこなかった。 親だとか誰かだとかにいわれるがままに、適当に流れてきた。意思というものがなかった。 べつに親だとか誰かだとかを信じていていたとか、そんな話もない。自分は確固たる意思をもって、意思を持たずに生きてきた。 人生の岐路に立って自分で道を選んだという覚えもな

    手取り19万円の栄光の終わりに
  • 男のプライドを尊重し、おぢに恥をかかせない。これぞ、頂き女子の作法。

    詐欺などの罪で懲役9年、罰金800万円の判決を受けた「頂き女子りりちゃん」の恋愛詐欺マニュアルが出回っている。正確には、マニュアルのWeb魚拓だ。 彼女が逮捕される前、有料で販売されていたものだという。 元ガールズバー経営者だった25歳の女性が、大金を貢がせた51才の男性に刺殺された事件を受けて、X(旧Twitter)ではりりちゃんを持ち上げるポストが急増した。 殺害されてしまった女性は、男性が大切にしていた車やバイクを売らせてお金を作らせたあげく、お金を受け取った途端に冷淡になるなど、りりちゃんがマニュアルで指南していたことと正反対の行動をとっていたそうだ。 りりちゃんのマニュアルでは、 「趣味のあるおぢは狙うな。趣味を売ってお金の工面をさせると、トラブルになりやすい」 「お金をいただいたら、自分がどのように助かったかを報告し、盛大に感謝を伝えるアフターケアが大切」 などと説かれていたら

    男のプライドを尊重し、おぢに恥をかかせない。これぞ、頂き女子の作法。
  • 「ゲーメスト」でハガキ職人を目指す過程で知った、人に読ませる文章を書くことのむずかしさ

    「雑誌の投稿コーナーに載る為に必死に文章を練習して、他人に読んでもらう文章を書くことの困難さに気付いた人」というのがどれくらいいるのか分かりませんが、私はその中の一人です。 この記事で書きたいことは、大体以下のような内容です。 ・昔、「ゲーメスト」という超面白いゲーム雑誌がありました ・読者投稿コーナーに掲載される為、いわゆるハガキ職人を目指して頑張っていました ・全然載らなかった為、兄に頼み込んで投稿内容を添削してもらいました ・その時の兄の言葉で、「文章というものは、書いた人が読む時と他人が読む時で全く違うものになる」ということに気づきました ・兄に添削してもらうようになってめでたく投稿コーナーへの掲載の夢が叶い、以来文章を書き続けています ・載らなくても載らなくても全く飽きずに投稿し続けた、という諦めの悪さも、一つの資質だったのかも知れません ・どんな文章であれ、「レビュー」「壁打

    「ゲーメスト」でハガキ職人を目指す過程で知った、人に読ませる文章を書くことのむずかしさ
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/05/28
    いいお兄さんですね。私はこのいいお兄さんがいない状態でファミ通にはがきをおくって、なんの成果も得られませんでした。
  • 必死で働いていると本が読めなくなるって、本当!

    働いているとが読めなくなるって、当? 今日は、安達さんがbooks&appsに書いてらっしゃった「働いているとが読めなくなるって、当?」という記事に、返歌として「必死で働いているとが読めなくなるって、当!」という記事を添えてみたい。 冒頭の安達さんの記事でとりあげられているのは、『なぜ働いているとが読めなくなるのか』というだ。 なぜ働いているとが読めなくなるのか (集英社新書) を読んだうえで安達さんは、”が読めなくなる理由を「忙しい」の一点で説明してしまうのはちょっと違うんじゃないですか”、と指摘している。 を読もうと思えば、時間はとれる。 「忙しいからが読めない」というのは昔からある話で、特に新自由主義や資主義と関連が強いようには思えない。 そもそも、忙しくてもを読む人はたくさんおり、反例が多すぎる。 (『働いているとが読めなくなるって、当?』より)

    必死で働いていると本が読めなくなるって、本当!
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/05/24
    「働いていると本が読めなくなるって、本当?」というbooks&appsさんの記事への返歌として「必死で働いていると本が読めなくなるって、本当!」という記事を寄稿させていただきました。ご笑覧ください。
  • 「子育てと仕事の両立はしんどい」VS「子持ち様は迷惑」

    子育てと仕事の両立。 いまや多くの企業の悩みの種であり、子育て世代の最大の関心ごとであるこのトピック。 どうにか両立を可能にしようとリモートワークや時短ワークの導入、男性の育児休暇推進などをしてはいるものの、「しんどい」という声はなくならない。そればかりか、どんどん大きくなっている気さえする。 もうみんな、うすうす気づいてるんじゃないだろうか。 子育てと仕事の両立が、そもそも不可能だということに。 「がちゃんと働けば2億円得をする」が炎上 『羽鳥慎一モーニングショー』が「の働き方で世帯の生涯収入 最大 ”2億円の差” 都が試算」と報じ、炎上した。 そもそも年収を600万円で計算しているあたり現実味のない試算なわけだが、「扶養内に収めるためにが『働き控え』をしても、夫が受けられる優遇は計670万円しかない」という委員会の主張に対し、「働き控えってなに? ケンカ売ってんの? 働きたく

    「子育てと仕事の両立はしんどい」VS「子持ち様は迷惑」
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/05/23
    功利主義を徹底させたゲゼルシャフトでは、子育てのシェアは不可能、子どもと子育ては迷惑となってしまう。しかも子育てが自己責任。そんなゲゼルシャフトの透徹した社会は、少子化まっしぐら。この社会を破壊文字数
  • 「ボートレースで200万を1000万にしてくれ」と頼まれたときのこと。

    昔、芸能界で働いていた知人の杉山氏(匿名)から、いきなり無理難題を吹っかけられたことがある。 「200万を1000万にしてくれないか!」 大手の某芸能事務所でチーフマネジャーだった杉山氏は、当時の人気アイドル音楽ユニットなどを手掛ける腕利きだった。 いわゆる「仕事のできるマネジャー」として、事務所サイドやアーティストから絶大な信頼を得ていた。 そんな杉山氏のトレードマークと言えば、手提げ式の黒いワニ革のセカンドバッグ。 杉山氏は、そのセカンドバッグの中に、いつも複数の帯封(100万円の束)を入れ、持ち歩いていた。 昭和から平成の前半くらいまで、芸能界は出演料やギャラ、バイト代などをその場で手渡す「取っ払い」が、当たり前のように行われていた。 某芸能事務所の社長に可愛がられ、厚い信任を得ていた杉山氏は、多額の運営資金を持ち歩き、自由に動かせる立場にあった。 仕事上の会、接待なら何の問題も

    「ボートレースで200万を1000万にしてくれ」と頼まれたときのこと。
  • 「親子の二人三脚」である、中学受験で転ばないための気づきを、言語化してみた。

    長女と次女がそろって小学校を卒業して、一ヶ月ばかり経ちました。 しんざき家は5人家族でして、長男が高校二年生、長女と次女が中学生の双子というパーティ編成になっています。 つい先日長男が生まれた記事を書いたような覚えがあるんですが、当時間が経つのが早すぎてびっくりしますよね。この調子だと来週くらいには22世紀になってるんじゃないでしょうか。 長女次女も、それぞれ中学受験を経験しました。鉄道研究部に入りたくて中学受験を目指した長男と同様、それぞれの理由があって「この学校がいい!」と主張した為受験に突入したわけですが、幸い二人とも行きたい学校に合格というめでたい結果に終わりまして、さすがにちょっとほっとしています。 中学生活も順調に滑り出しているようで、「今日は友達とどんな話をした」「今日はどんな部活を見学した」といったことを盛んに報告してくれています。楽しい3年間を過ごせればなによりだと思い

    「親子の二人三脚」である、中学受験で転ばないための気づきを、言語化してみた。
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/05/17
    けっきょく、子どもの資質と家庭(や親自身)の資源をいかに踏まえるのか、その範囲で現実的なラインをデザインするのか……が大事なのだと読んで改めて思いました。
  • 働いていると本が読めなくなるって、本当?

    前職の時、職場に「を月に10冊以上読むこと」というオキテがあった。 仕事において、読書は必須で、好きも多かった。 私の上司だった人間は、とにかくが好きで、座席の後ろに山のようにを積み上げていたし、空いた時間には座席でよくを読んでいた。 (同僚たちも、職場でけっこうを読んでいた) また、ビジネス書だけではなく、小説やノンフィクションなども、良く読まれていた。 面接で、趣味を聞かれて、「小説が好きです。」と答えた人は、その後大いに面接官とその内容で盛り上がったし、お客さんと共通の愛読書があれば、それだけで仲良くなることができた。 読書に時間を割く人は、知的能力が高いことも多く、特に、優秀な経営者の方で「を読まない」という人は殆どいない。 だから書店で「なぜ働いているとが読めなくなるのか」というタイトルのを見つけた時、面白いな、とおもった。 なぜ働いているとが読めなくなるのか

    働いていると本が読めなくなるって、本当?
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/05/15
    ここに登場するグラフは、管理職か否かという問題を顧慮していないようにみえる。いまどきの管理職のあの忙しさをみていると、本を娯楽として知っている層の可処分時間、減っているんじゃないの?と思ってしまう
  • 令和の日本社会に嗅覚はそこまで必要ない

    現代社会に必要な素養や能力といって何が思いつくだろうか? 多くの人は、いわゆるコミュニケーション能力や読み書きができる能力、規則正しく出社しコンスタントに労働・学習できる行動プロトコルなどを連想するだろうし、実際、それらは必要である。 では逆に、もともと人間に備わっているけれども現代社会ではあまり必要ない素養や能力にはどんなものがあるだろうか? 突然、においのない世界がやってきた! そういうことをしみじみと考えさせられたのは、コロナ禍に直面した頃のことだ。新型コロナウイルスは、風邪症状や発熱だけでなく、さまざまな随伴症状や後遺症を伴うといわれている。 私の場合、嗅覚をコロナウイルスに持っていかれた。 発熱して間もなく、まったくにおいがわからなくなった。自分の排泄物のにおいもわからないほど嗅覚がだめになったと言えば、想像がつくだろうか。 一般に、嗅覚は味覚と深い関係を持つとされ、少なからぬコ

    令和の日本社会に嗅覚はそこまで必要ない
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/05/14
    寄稿させていただきました。嗅覚をコロナウイルスに持っていかれた時、どれぐらい困るかなと思ったらほとんど困らないことに、逆に困惑しました。かつては人間の生存に必要不可欠だったはずなのに。
  • イギリスの「禁煙法」は行き過ぎなのだろうか。

    イギリスの「禁煙法」 イギリスで「禁煙法」のようなものが可決された。そんなニュースがあった。 英下院、たばこ販売禁止法案を可決 2009年以降生まれを対象に イギリスの下院は16日、2009年1月1日以降に生まれた人が生涯にわたってたばこ製品を買えなくする法案を可決した。 リシ・スーナク首相が主導した「紙たばこ・電子たばこ法案」は、383対67の賛成多数で下院を通過した。首相経験者を含む複数の与党・保守党幹部が反対票を投じた。 施行された場合、イギリスのたばこ規制法は世界で最も厳しい部類のものとなる。 似たような法律がニュージーランドで先行して施行され、その後に撤回されたとかあったが、とにかくイギリスはこのような道を選んだ。 おれはたまたま倫理学入門のを読んでいたので、「これは倫理学が取り扱う問題だな」と思った。とくに児島聡『実践・倫理学』においては第5章が「他者危害原則と喫煙の自由」だ

    イギリスの「禁煙法」は行き過ぎなのだろうか。
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/05/07
    人間が自由であるという定義が、2020年代においてどう言えるのか、というお話にもみえるし、そもそも依存という現象が特定条件で起こる人間の報酬系がどうなのか、というお話を連想したくもなる。
  • 気遣いや感謝は言葉にしよう。

    「つゆだく言うても程があるやろ、作り直せやババァ!」 そんな暴言で吉野家の店員さんを怒鳴りつけたのは、50代くらいのビジネスパーソンだろうか。 乱暴な言葉遣いと裏腹に、濃紺のスーツに白Yシャツ姿の紳士だ。 ビジネス街なのでおそらく近辺の、大きな会社の社員なのだろう。 「大変申しわけございませんでした、すぐにお作りし直します」 震える声で応えながら牛丼の器を下げるのは、70歳前後にみえる細身の女性である。 顔面蒼白になり、やや緩慢な動作でお盆を運ぶ姿に母親が重なって、胸に痛みを感じる。 平日の夕方、事には中途半端な時間なので、客はそのオッサンと私しかいない。 さすがにこれ以上何か言おうものならケンカを買ってやろうかと思ったが、幸いオッサンは作り直された“ちょうどいいつゆだく”に満足し、すごい勢いでべると乱暴にお金を叩きつけ、店を出ていってしまった。 「大変でしたね。どうかあんなヤカラのこ

    気遣いや感謝は言葉にしよう。
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/05/02
    これは本当に大事なことだと思います。折に触れて振り返っておいたほうが、お互いのため。たぶん、世の中のためでもあるでしょう。
  • キャッシュレス決済がこんなに便利だって想像できた?

    このごろのキャッシュレス このごろいくつかキャッシュレスの話題をネットで見かけた。 飲店などが、キャッシュレス決済の手数料の高さに困っている、という話である。おれはそういう商売に携わったことがないのでわからないが、なるほど高そうだ。 とはいえ、この問題で小売店に同情する声というのはあまりない。ほとんどないといってもいいかもしれない。 「だったら現金オンリーにすればいいのでは?」という声が多い。「なじみの店、応援したい店では現金払いにしたい」という声もあるが、あまり多いとは言えない。 むしろ、オダギリジョーのCM(オダギリジョーの店に大口のお客さんがきそうになるが、キャッシュレス決済ができないことによって機会損失する……テレビをまったく見ない人向けの解説)のように、「じゃあいいですー」ってなるよ、という人が多い。現金まったく持ち歩かないよ、という人もいる。 おれは、どうなのか。おれはつねに

    キャッシュレス決済がこんなに便利だって想像できた?
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/04/26
    キャッシュレス決済のうちに21世紀のはじまりを見る思いがする。と同時に、それでもって管理され、便利さに飼いならされて、体制に馴致されていく筆者の心境にも21世紀のはじまりを見る思いがする。
  • 令和のコミュニケーション能力とは、ブルジョワ階級のコミュニケーション能力である

    これのヤバいところは当に求められている「コミュ力」の正体が「上流階級の礼儀作法及び思考プロトコル」だという事。義務教育の延長で突破できるペーパーテストと違って学ぶには相応のコストが必要な代物で、貧困層はそのコストを捻出できない(更に言うと教育機関にもアクセスできない) https://t.co/GUGKICG6Uz — クラウゼル(美少女) (@crauzel_law) April 14, 2024 先日、Xに上のような文章がポストされていた。前後の文脈を踏まえるなら、「AO入試や採用面接で問われるコミュニケーション能力とは、上流階級の礼儀作法と思考プロトコルのことである」といったニュアンスだろうか。 「いまどきは、良い大学・良い就職先に入ろうと思ったら、上流階級のように考え、上流階級のようにふるまえなければダメですよ」と言っているにも等しい。 「特定の階級の礼儀作法や思考作法が優遇され

    令和のコミュニケーション能力とは、ブルジョワ階級のコミュニケーション能力である
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/04/19
    寄稿させていただきました。AO入試や就活で求められるコミュニケーション能力って、ブルジョワ階級的なコミュニケーション能力で、それって構造的な階級差別と依怙贔屓を本当は含んでいますよね?
  • 「マナー、道徳、常識、暗黙の了解」で人を叩く行為が気に入らない。

    功利主義に向き合う いきなりだが、どうもおれは功利主義者らしい。反出生主義などの持論を述べていたら、そう指摘された。 なるほど、反出生主義論者のベネターの考え方は功利主義的かもしれない。 とはいえ、おれは功利主義をよく知らない。「最大多数の最大幸福?」くらいのものだ。なので、おれはを読んでみることにした。 功利主義 (岩波文庫) たとえば、有名なJ.S.ミルなどはなんといっているのだろう。『功利主義』の冒頭はこんな文章で始まる。 正と不正の判断基準をめぐる論争は、解決に向けた進展が少しも見られない。人間の知識の現状を作り上げている環境要因のうちで、これほど期待はずれなものはほとんどない。 最も重要なテーマに関する思索でありながら、長いあいだ立ち後れたままであり、期待はずれという点でここまで際立っている環境要因はほとんどない。 哲学が誕生して以来、最高善に関する話題、あるいは同じことになる

    「マナー、道徳、常識、暗黙の了解」で人を叩く行為が気に入らない。
    p_shirokuma
    p_shirokuma 2024/04/12
    くだんの牛タン50人問題は、法と契約という観点が大前提ですが、多くのブクマカが現代日本の社会通念に基づいて専らしゃべっていましたね。社会通念も無視はできませんが、法治国家では法と契約が優越文字数