はじめに 平成21年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によれば、小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は約6万1千件と、前年度(約6万件)より約1千件増加となり、平成18年度以来連続して増加するとともに、小・中学校においては過去最高の件数に上っている。特に、小学校における暴力行為の発生件数は、7,115件で、その増加率は9.7パーセントであった。 暴力行為の増加の要因については、児童生徒の成育、生活環境の変化、児童生徒が経験するストレスの増大、最近の児童生徒の傾向として、感情を抑えられず、考えや気持ちを言葉でうまく伝えたり人の話を聞いたりする能力が低下していることなどが挙げられ、同じ児童生徒が暴力行為を繰り返す傾向などが指摘されているところである。その背景には、規範意識や倫理観の低下、人間関係の希薄化、家庭の養育に関わる問題、あるいは映像等の暴力場面に接する機会の