自由の到来か、それともディストピアか? 早川書房編集者・一ノ瀬翔太が読む『メタバース さよならアトムの時代』 仮想空間を指す〈メタバース〉という言葉は、ニール・スティーヴンスンが1992年に発表したSF小説『スノウ・クラッシュ』に初めて登場しました。これがのちに、数多くの起業家にインスピレーションを与え、2022年現在、インターネットに続く新たな経済圏として世界的なバズワードになっています。 伝説的な作品である『スノウ・クラッシュ』を今年復刊させたのが、早川書房の編集者である一ノ瀬翔太さん。一ノ瀬さんはマイケル・サンデル『実力も運のうち』を筆頭に、時代を象徴するような多彩な翻訳書・話題作をヒットさせてきました。 日本のメタバース・ブームにも一役買った一ノ瀬さんが、独自の視点で加藤直人さんの新刊『メタバース さよならアトムの時代』を読み解きます。 あなたはヒトラーの吐き出した原子を吸い込んで