総務省を中心に議論が進む次世代地上デジタル放送。動画をネットで見る時代にテレビはコンテンツをどう送り出せばよいのか、「通信とコンテンツ」の融合は進むのか、NHKエンタープライズでエグゼクティブプロデューサーを務める神部恭久氏が、その姿について解説する。 地上波放送のデジタル化が始まったのは三大都市圏で2003年、アナログ放送が終わりデジタルに完全移行したのが2011年(宮城・岩手・福島の3県は2012年)だ。以後、2022年の今に至るまで、地上放送システムはアップデートされていない。一方で、デジタル放送が始まったとき3Gだったモバイル通信は、4G、5Gとアップデートされ、次は6Gと進化のスピードを早めている。私のような放送サイドに属するものから見れば、このままではますます時代に取り残されるのではないかという危機感がつのる。 実は今、総務省では放送用周波数の有効活用などを目的に、次世代地上デ