米ボーイングが開発中の次世代中型ジェット旅客機「787(B787)」。今、この新旅客機を巡って、日本の中小企業に混乱が起こっている。 ボーイングが鳴り物入りで発表したB787には、世界の航空会社56社から865機という史上最大の受注が舞い込んだ。主翼と胴体に、従来のアルミニウムよりも軽くて硬いとされる炭素繊維複合材を使用。従来機に比べ、約2割低い燃費性能がウリで、燃料高に悩む航空各社から期待を集めてきた。しかも製造工程には「カンバン方式」を全面的に導入する予定で、様々な意味で画期的な旅客機となるはずだった。 巨額投資、回収見込み立たず ところがボーイングは8月末、これまで2010年の第1四半期までとしていた初号機の納入を第4四半期に遅らせると発表した。機体の多くに炭素繊維を用いた今までにない試みだけに、強度不足や重量の増加など、あらゆる点で設計変更が生じたためだ。しかもボーイングがB787
1 2 「1か月乗り放題」チケットで話題騒然! 米航空会社ジェットブルーの型破り経営 「ホテルと航空会社の中で、ツイッターのフォロアーがもっともたくさんいるのは、ジェットブルー」。 最近、マーケットリサーチ会社のディールベースがこんな調査結果を発表した。ジェットブルーは、1999年に設立されたアメリカの格安航空会社。10年で着実に人気を伸ばし、今やアメリカとカリブ海地域の約60都市を結ぶアメリカ第7位の航空会社に躍進した。 人気の秘密は、大胆なサービスと明るくおしゃれなイメージづくりである。 たとえば、9月には「1ヶ月の乗り放題チケット」を599ドルで発売した。アメリカは、西海岸から東海岸へ飛ぶのに5時間を要する広大な大陸。メジャー航空会社のチケットなら1回往復で通常500~600ドルかかる。 「乗り放題」は、予定を数日繰り上げて申し込みを締め切るほどの注目を集め、その後メディア
(前編から読む) 4本目となるD滑走路が完成すると、羽田空港の発着枠は現状よりも3割以上拡大し、それに伴って国際線の発着数も6.6倍に増える。 利用客にとって利便性は高まるが、羽田空港で国際線が増えるたびに問題となるのが成田国際空港(以下、成田空港)との棲み分けをどうするかということだ。 背景には、羽田空港の存在感が増すことに対する成田空港側の危機感がある。ただ、国内でつばぜり合いをしていられるほど日本が置かれた状況は甘くない。 羽田の旅客数は成田の1.8倍もある 空の自由化(オープンスカイ)が急速に進む世界の空港ビジネスにおいて、今のままではニッポンの存在そのものが希薄化しかねない。 今こそ羽田と成田がそれぞれの長所をうまく“ハイブリッド化”させて、首都圏としての「国際空港機能」を高める実行力が求められている。 日本の空の「玄関口」として世界でも知名度が高い成田空港と、国内線を中心に運航
坂田 亮太郎 日経ビジネス副編集長 東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰 この著者の記事を見る
1 2 3 JAL再建で浮上する“奥の手” ANAと共存できるのか 政府監視下で再建を進める日本航空(JAL)は、経営改善計画の要である企業年金削減で早くもつまずいた。公的支援実施の責任を負う国土交通省は、異例の経営介入でJAL再建に悪戦苦闘。ライバルである全日本空輸(ANA)への影響どころか、日米交渉にも波及する“奥の手”の救済策が浮上している。 7月17日、日本航空(JAL)のOB有志が結成した「JAL企業年金の改定について考える会」はJALおよびJAL企業年金基金に対して、年金減額提案の撤回を要求する申し入れを行なった。その書面にはウェブサイト上で募った減額反対の署名が3000人を超えたと記されていた。 JALは5月12日、年金受給対象者へ年金制度改定計画を通知し、退職給付債務を1600億円圧縮するために企業年金給付額を5割超削減する可能性を伝えた。これにOBたちが猛反発。即座
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン Carol Matlack (BusinessWeek誌、パリ支局長) 米国時間2009年6月12日更新 「Paris Air Show: Not Much of a Party」 パリ国際航空ショーが6月15日に開幕したが、会場に集まる世界の航空業界首脳の間には、暗いムードが漂っている。新規受注数の落ち込みもかすんでしまうほど、懸念材料が山積みなのだ。 今年、世界の航空旅客需要は8%減少する見通しだ。これに伴い、航空機の注文取り消しや発注の先送りが相次いでおり、航空機メーカーと下請け各社は減産と人員削減を余儀なくされている。その影響は、小型自家用機メーカーから、社用機・コミューター機などの小・中型ジェット機メーカー、国際線を飛ぶ大型旅客機を
JAL成田発ハワイ行き。夏休みの家族連れでごったがえしている中に、40代の男性がぐったりした表情で座っていた。「仕事で疲れ切っているのに、休日は何とハワイで家族サービスだ」。ため息をつき、ビールをチビリチビリやっていると、機内食が運ばれてきた。 丁寧に作りこんだオニオングラタンスープのメインディッシュが、胃にゆっくりと入ってくる。サイドディッシュは、ボイルしただけの色とりどりの野菜。シンプルな野菜の味とそれぞれの甘みが口いっぱいに広がる。添えられたグリーンピースのマッシュも嬉しい。十勝産あずきをたっぷり使った手のひらサイズの小さな鯛焼きが旅のウキウキ感を盛り上げ、余計な手を加えずリンゴを切っただけのデザートも彩りが美しい。 そして、コーヒーを飲もうと食器を取り上げると、下に敷かれたカラフルなシートには、ポエムが添えられていた。「飽きないと最高に好きは同じ意味です」、何だかいら立った心が静ま
週刊ダイヤモンド編集部 【第328回】 2009年06月02日 JALとANAには死活問題 羽田空港活用をめぐる神経戦 羽田空港は2010年10月に4本目の滑走路の供用が始まり、発着容量が1.4倍に拡大する。この新たに増える発着枠をめぐり、日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)が今、真っ向から対立している。 バトルが繰り広げられているのは国土交通省航空局長の私的懇談会である「羽田空港発着枠の配分基準検討懇談会」(通称・スロット懇談会)。増加分の年間発着容量約11万回のうち、まず5万回が10年から運用される。国土交通省は国際線に3万回、国内線に2万回を配分する予定。スロット懇では2万回増える国内線発着枠を10年以降、航空会社へどう配分するかを話し合っている。 「多頻度小型化(航空機を小型化し、運航を多頻度化する)による利便性向上、需要掘り起こし、地方間の路線網拡充」を主張するのはJA
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