ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (26)

  • アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品としての信念」(luxury beliefs)とは

    <昨今のいわゆるウォーキズム(日の文脈に合わせると意識高い系とでも訳すべきか)へのカウンターとして「贅沢品としての信念」(luxury beliefs)という概念が話題だ。ようやく米国の右派が、左派と勝負できるだけのナラティヴを手に入れつつある......> 米国で「贅沢品としての信念」(luxury beliefs)という概念が話題になっている。元は2019年ごろににちょっと話題になったらしいのだが、私は見逃していた。それが提唱者のロブ・ヘンダーソンが最近自伝「Troubled」を出したこともあって見直され、昨今のいわゆるウォーキズム(日の文脈に合わせると意識高い系とでも訳すべきか)へのカウンターとして持ち出されているようだ。 ヘンダーソンの顔を見ると分かると思うが、ヘンダーソンという欧米系の姓の印象に反して、彼はアジア系米国人である。彼の母親は韓国からカリフォルニアに渡り、大学を中

    アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品としての信念」(luxury beliefs)とは
  • 「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

    <EV大国の中国で不穏なニュースが...。そこから見える、日人が知らない「EV普及のカギ」とは> 「走行距離が年2万キロ以上のEV(電気自動車)は自動車保険に入れません」 中国のニュースサイトをチェックしていて目についた見出しだ。 仕事柄、EVについてネットの情報を調べることが多いのだが、そうすると「EVオーナーのヤバすぎる末路」みたいな動画やまとめ記事ががんがんリコメンドされてくるようになってしまう。 その手のEV末路コンテンツの定番ネタの一つが自動車保険だ。EVは修理代が高いから自動車保険がバカ高に、購入者は涙目......といった話。高いのも嫌だが、保険に加入できないとなると死活問題だ。 というわけで、この件についていろいろ調べたり、聞いたりしている。中国の保険会社にとってEVは確かに悩みのタネで、保険料は高く設定せざるを得ない。それでもEV普及に協力するようにとの政府の圧力によっ

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?
  • もう車が買えなくなったアメリカ人──年収10万ドルの壁

    古き良き時代──星条旗を立てたトラックがズラリ(2009年、カリフォルニアのフォード・ディーラーで) REUTERS/Mike Blake <アメリカンライフの象徴だった車だが、富裕層に引っ張られて価格が高騰したばかりでなく、そもそも「高級でない車」が市場から消えた。もはや人口の8割が車に手が届かない状況だ> 車を所有することは昔から、アメリカ式ライフスタイルの象徴で、車は必要なだけでなく、自由や自立、そして時には抵抗のシンボルとなってきた。だが2024年には、アメリカと車の蜜月関係が終わるかもしれない。多くのアメリカ人が車を買えなくなっているからだ。 新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、生活費は全体的に高騰しており、車にかかる諸費用や自動車保険、修理費用なども上がっている。 パンデミック中、自動車業界はサプライチェーンの混乱や半導体不足などの問題に見舞われ、新車価格も中古車価格も史

    もう車が買えなくなったアメリカ人──年収10万ドルの壁
  • ガザ戦争でアメリカは信用を失い、EUは弱体化、漁夫の利を得るのは「意外なあの国々」

    ハマスによる越境攻撃への報復として、イスラエル南部の境界付近からガザ地区を砲撃するイスラエル兵(11月6日) AP/AFLO <失われたアメリカの情報・判断力への信頼、民主主義国連合の亀裂。居直った中国ロシアがグローバルサウスを取り込み、世界の多極化を狙う> 今回のガザ戦争、その余波はどこまで広がるのだろう? 私見だが、悪しき地政学的展開が起きても、たいていは逆の好ましい力が働いて均衡を取り戻し、世界地図で見れば点のような場所で起きた出来事の余波が遠くまで広がることはない。危機や戦争が起きても、たいていは頭を冷やしたほうが勝つから、その影響は限定される。 だが例外はあり、今回のガザ戦争はそうした不幸な例外の1つかもしれない。 もちろん、第3次大戦の瀬戸際だと言うつもりはない。これが中東全域を巻き込む紛争に拡大するとも思っていない。 その可能性は排除できないものの、今のところ、レバノンのイ

    ガザ戦争でアメリカは信用を失い、EUは弱体化、漁夫の利を得るのは「意外なあの国々」
  • 証拠が薄すぎる「小児病院の地下はハマスの拠点」...国際的支持を失いかねない、イスラエルの「苦しい言い訳」の中身とは?

    <病院への攻撃を世界や国際機関が非難するなか、イスラエルは「証拠」で「正当性」を誇示するが...。イスラエルを支持するバイデン大統領も苦しい立場に> イスラエル国防軍(IDF)は、ガザ市内にある小児病院の地下にハマス司令部が存在していた証拠を発見したと述べている。そこに人質が拘置されていた証拠も発見したという。 パレスチナのガザ地区における戦闘は、同地区を実効支配しているイスラム武装組織ハマスが10月7日に対イスラエル奇襲攻撃を仕かけて以来、激しさを増している。 またイスラエルは、同地区最大のシファ病院を攻撃したとして、厳しい非難を浴びている。今回の戦闘を巡る厄介な問題は、病院に対する攻撃だ。病院の地下にハマス司令部が当に存在しているのか否かによって、イスラエルは国際的な支持を失いかねない。 また、イスラエルを支持する米大統領ジョー・バイデンは、難しい立場に置かれる可能性がある。 IDF

    証拠が薄すぎる「小児病院の地下はハマスの拠点」...国際的支持を失いかねない、イスラエルの「苦しい言い訳」の中身とは?
  • イーロン・マスクからスターリンクを買収することに決めました(パックン)

    スターリンクが戦争の勝敗を決する可能性も(スペースX社のロケット「ファルコン9」、2020年)Orlando Sentinel/Getty Images <衛星通信サービス「スターリンク」は世界の命運を左右するポテンシャルを持つ画期的なもの。だけど、それが「特殊な一般人」イーロン・マスクの手に握られていていいの?> すみません、誰か10兆円貸してくれない? 買いたいものがあって、クレジットカードを切ってもいいんだけど、限度額を9兆9999億9950万円ほど超えてしまうんだ。 買いたいのは今話題の「スターリンク」。これは、小さなパラボラアンテナを設置し、ルーターにつなげるだけでインターネットへアクセスできる画期的な衛星通信システムだ。僕が買いたいのはアンテナとルーターのセットではない。それは(今半額セール中で!)3万6500円しかしない。自慢じゃないけど、限度額内の数字だ! そもそも、スター

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  • 群馬・草津町議の「性被害」告発をうのみにした人々が今すべきこと

    <忘れられたニュースを問う石戸諭氏のコラム。女性町議が訴えた被害は虚偽の疑いが強いが、彼女を信じて支援した人々の責任は問われずじまい。反省の言語化が社会にとって有益なはずだが...> 群馬県草津町で町長による「性被害」を訴えた同町町議、新井祥子氏をめぐるニュースを覚えているだろうか。事の発端は2019年だった。彼女は黒岩信忠町長から、あろうことか町長室でわいせつ行為を受けたと大々的に告発したのだ。 彼女を支援しようという声が著名な女性運動家、知識人らの間で高まった。町長を批判するデモ隊が草津町を訪れたり、町の対応をめぐって「セカンドレイプの町」という批判がSNSで広がったりするなど、小さな温泉街は前代未聞の騒動に巻き込まれていった。 新井氏は住民投票の結果、町議を失職した。この件はCNNやニューヨーク・タイムズなど海外でも報じられた。一方、町長側は一貫して事実無根を訴えた。新井氏の刑事告訴

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  • 撃たれても倒れないロシアの「ゾンビ兵」、ウクライナ側でも深刻化する薬物問題

    ロシアが兵士に覚醒剤を投与している疑惑は以前からあるが、ウクライナの民間人の薬物問題も戦争を機に深刻化している> ・ロシア軍事企業「ワグネル」兵士が銃で撃たれても倒れないなど、覚醒剤投与の疑惑が浮上している。 ・ワグネルは疑惑を否定しているが、戦場に送り出される兵士への麻薬支給はこれまでにもあった。 ・その一方で、ウクライナ国内の薬物問題も戦争で深刻化している。 「撃たれても倒れない」「味方の犠牲をまるで気にしていない」などの証言から、ロシアが覚醒剤を兵士に投与している疑惑が濃くなっている。 「ゾンビ映画みたいだ」 ウクライナ東部のドネツク州バフムトで4月3日、ロシア軍事企業「ワグネル」の部隊が市庁舎にロシア国旗を掲げ、制圧を宣言した。しかし、その後もバフムト西部ではウクライナ軍の抵抗が続いていると英BBCは報じている。 ロシアウクライナ東部の制圧を重視し、バフムトはその主戦場になって

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  • 低ランク大学の卒業生ほど奨学金返済に苦慮している実態

    <入学偏差値が低い大学ほど、学生の貸与奨学金の利用率が高く、卒業生の返済滞納率も高くなる傾向が見られる> 少子化対策について議論されているが、結婚・出産をしたら奨学金の返済を減免しようという案が出ている。その是非はさておき、奨学金の返済が若者にとって重荷になっていることは確かだ。今では大学生の3人に1人が貸与奨学金を借り、数百万円の借金を負って社会に出る。彼らは重い「足かせ」をはめられていて、これが未婚化・少子化に影響していないはずがない。 ところで大学と言っても、様々なタイプがある。設置主体では国立、公立、私立に分けられ、数的に多い私立大学は、いわゆる入試難易度によって階層化されている。階層構造上の位置付け(ランク)によって学生の姿は異なり、上場企業への就職率も違うことはよく知られている。 学生の奨学金利用率にも差があり、誰もが知っている有名私立大学(偏差値70以上)では、2020年度の

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  • 戦争の焦点は「ウクライナ軍のクリミア奪還作戦」へ 小泉悠×河東哲夫・超分析

    戦争の「天王山」はクリミア半島、セバストポリの軍港が核使用のきっかけに!? 日有数のロシア通である2人が対談し、ウクライナ戦争を議論した> ※2023年4月4日号「小泉悠×河東哲夫 ウクライナ戦争 超分析」特集に掲載した10ページに及ぶ対談記事より抜粋。対談は3月11日に東京で行われた。 ※対談記事の抜粋第1回:小泉悠×河東哲夫・超分析「仮に停戦してもウクライナが破る可能性もある」 より続く。 ――今後、作戦の展開がどうなっていくかが1つの大きな焦点です。ウクライナ軍はクリミア半島の奪還を目指すでしょうか。 ■河東 クリミアが今、実際には一番大きな問題だと思います。ロシア軍がクリミアを守るための補給路が非常に「細く」なっている。主として2あるのですが、1は(昨年10月に)爆破事件があったケルチ海峡の橋。あれはまたいつ爆破されるか分からない。 もう1はクリミアの西のほうから陸路

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  • 中国が仕掛ける「現代のアヘン戦争」...米国でフェンタニルが若者の死因1位の「異常事態」

    <合成オピオイド「フェンタニル」が多くのアメリカ人の命を奪っているが、その90%以上が中国から来ているとされる> 先日、米政治専門のザ・ヒル紙が、こんな記事を掲載して話題になっている。「アメリカ人18~45歳の死因のトップが、心臓疾患や癌、自動車事故、新型コロナなどではなく、フェンタニルだと知ったら驚く人もいるだろう」 ■【動画】米国における薬物の過剰摂取による死者数と、そのなかでフェンタニルが占める割合は? フェンタニルとは非常に強力な鎮痛剤で、モルヒネの50~100倍の効果があるという。フェンタニルとは合成オピオイドのことだが、オピオイドは、けしの実からから採取される有機化合物とそこから生成される化合物の総称だ。 これが以前からアメリカで蔓延しており、現在も社会問題となっている。加えて、記事では「アメリカで発見される違法なフェンタニルのうち90%以上が中国から来ている」とし、中国がアメ

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  • 授業で「反戦」の絵を描いたロシアの6年生を教師が通報...父親は逮捕、本人は孤児院へ

    <美術の授業で少女が描いた絵をめぐり、教師が警察に通報。鳥の飼育業を営む父親が逮捕されて独房に留置されている> ロシアの6年生の少女が、学校の美術の授業で「反戦」的な絵を描いたことにより、シングルファーザーである彼女の父親が当局に逮捕された。娘人は孤児院に送られたという。家族に近い筋が明かした。 ■【画像】父親が逮捕される結果に...美術の授業で6年生の少女が描いた「反戦」の絵 奉仕活動家のエレーナ・アガフォーノワという人物が独立系メディアの「Spektr」に語ったところによれば、警察に身柄を拘束されたのは、ロシア西部トゥーラ州で鳥の飼育業を営むアレクセイ・モスカレフだ。 モスカレフの娘マーシャは小学6年生だった昨年4月、美術の授業中に反戦をテーマにした絵を描き、これを見た教師が警察に通報した。ロシアの独立系ニュースサイト「メドゥーサ」によれば、教師が生徒たちに指示していたのは、ウクライ

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  • ベラルーシのパルチザンがロシアの貴重な早期警戒管制機A-50を破壊、ウクライナを支援

    Belarus Ramps Up Border Patrol After Saboteurs Destroy Rare Russian Plane <ベラルーシに駐機していたA-50が、ウクライナを支援するベラルーシのパルチザン2人のドローン攻撃で破壊された。全部で9機しかないうちの1機が破壊されたのも問題だが、A-50はウクライナ空爆の拠点になるベラルーシ駐留ロシア空軍の「目」でもあった> ベラルーシが、国境周辺の一部でパトロールを強化していると報道されている。直前には、ロシアの貴重な早期警戒管制機が、同国領内で破壊されるという一件があった。 RFE/RL(自由欧州放送)は2月27日、一部のベラルーシ人からの情報として、リトアニアおよびポーランドと接する国境地帯の警備体制を同国が強化したと伝えた。 「出国口でチェックを行い、あらゆる物を振って確かめ、すべてを綿密に調べている」。27日に国

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  • ロシアはウクライナでなく日本攻撃を準備していた...FSB内通者のメールを本誌が入手

    訪日したプーチン大統領(2016年12月) Sputnik/Michael Klimentyev/Kremlin/via REUTERS <ウクライナ侵攻が始まる以前、ロシアは「かなり真剣に」日との局地的な軍事紛争を計画していたとするFSB職員のメールを入手> ウラジーミル・プーチン大統領が率いるロシアは、ウクライナへの大規模侵攻に着手する何カ月も前の2021年夏、日を攻撃する準備を進めていた──こんな衝撃的な情報を、誌が入手した。これはロシア連邦保安庁(FSB)内部告発者からのメールで明らかになったものだ。 ■【動画】プーチン「重病説」を再燃させる「最新動画」...脚は震え、姿勢を保つのに苦労 3月17日付けのこのメールは、「Wind of Change(変革の風)」と名乗るFSB職員が、ロシア人の人権擁護活動家ウラジーミル・オセチキンに定期的に送信しているメールのひとつだ。オセチ

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  • 「AIが人間をロックし正確に狙う機関銃...」イスラエルが開発、パレスチナ難民キャンプに配備した

    「兵士にとっては苦もなく、勝手に発砲する......」ヨルダン川西岸のパレスチナ難民キャンプにAI制御の機関銃が配備された [@Belalmd12/Twitter] <兵士の疲れや震えによる誤差を修正し、ターゲットを正確に撃ち抜くAI銃が試験配備。開発企業は、かえって人命を守ると強調するが......> 緊張高まるイスラエルのヨルダン川西岸地区に、AIが照準をコントロールする銃が配備された。人間が引き金を引いてターゲットをロックすると、AIが自動で照準を補正し、目標を正確に狙撃する。 設置されたのはヨルダン川西岸のパレスチナ難民キャンプで、キャンプを見下ろす監視塔の上に2丁が配備されている。難民キャンプで暮らす19歳の青年は、ユーロニュースに対してこう語る。 「兵士にとっては苦もなく、勝手に発砲する。彼(イスラエル兵)が小さな子供を見つけたら、ボタンか何かを押すだけで勝手に火を吹くんだ」

    「AIが人間をロックし正確に狙う機関銃...」イスラエルが開発、パレスチナ難民キャンプに配備した
  • 植民地支配の「罪」をエリザベス女王は結局、最後まで一度も詫びることはなかった

    1961年には旧植民地ガーナを訪れ、かつて栄えたアシャンティ国の王族に会った KEYSTONE-FRANCEーGAMMAーKEYSTONE/GETTY IMAGES <黒人奴隷を酷使して植民地で儲けたことで大英帝国の礎を築いたという過去を、逝去したエリザベス女王は謝罪しなかった> まずい、わが国は出遅れたぞ。16世紀の半ば、エリザベスという名のイングランド女王は周辺諸国を見回して、そう気付いた。見よ、大陸の諸王国は世界の果てまで領土を広げているではないか。 先鞭をつけたのはポルトガルとスペインだった。まずはポルトガルが15世紀半ばに西アフリカまで船を出し、現地の金を輸入し始めた。それからサントメという小さな島を占領し、大規模農場で「売買可能な商品」としての黒人奴隷を働かせるという画期的な手法を考案し、サトウキビの大量生産を始めた。 大西洋を南下してサトウキビを栽培・加工し、そこで働かせる奴

    植民地支配の「罪」をエリザベス女王は結局、最後まで一度も詫びることはなかった
  • テスラvsトヨタ、豊田社長肝いりの燃料電池車は失敗だったのか

    <米テスラが火をつけたEV(電気自動車)シフトが欧米で進む一方、トヨタはハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)にEVを加えた全方位戦略で受けて立とうとしている。果たしてトヨタに勝機があるのか。『TechnoKING イーロン・マスク 奇跡を呼び込む光速経営』の著者、竹内一正氏がトヨタとテスラの戦略を比較し、トヨタの燃料電池車「MIRAI」のこれからを予想する> 燃料電池車MIRAIは失敗だった 2015年の北米モーターショーで、テスラのCEOイーロン・マスクトヨタの燃料電池車(FCV)のフューエル・セルをもじって、「馬鹿げた(フール)・セルだ」と酷評した。 それから6年たった今、果たしてトヨタのFCVは「馬鹿げたセル」なのか? 残念ながら、2020年のトヨタFCVの世界販売台数はたったの2000台に過ぎない。 なるほどCO2は出さないが、約700

    テスラvsトヨタ、豊田社長肝いりの燃料電池車は失敗だったのか
  • なぜ日本男子は世界で唯一、女性より幸福度が低くなるのか?

    世界では『女性・高齢・低学歴の者ほど幸福度が低い』が、日人はこれにすべて反しているという。Ranta Images - iStockphoto 「幸福度」を国別・男女別にみると、先進国や発展途上国を含むほとんどの国は女性のほうが男性より低い。一方、日は逆に男性のほうが低い。統計データ分析家の川裕氏は「OECDの統計を分析すると、世界のスタンダードは『女性・高齢・低学歴の者ほど幸福度が低い』が、日人はこれにすべて反している」という――。 世界の中で日人の幸福度は低いのか高いのか 連載で以前、「男女格差ランキング120位は当? 「女性が差別される国」日で男より女の幸福感が高い皮肉」というテーマを扱い、反響が大きかった。 今回はこの時とは別のデータを使い、やはり日人の幸福度は、世界の傾向とは反対に女性の方が高い点を示すとともに、男女別だけでなく、年齢別、学歴別といったその他の属

    なぜ日本男子は世界で唯一、女性より幸福度が低くなるのか?
  • カミカゼ・ドローンで戦況は一変 米軍「最強」の座も危うい

    <昨年のナゴルノカラバフ紛争では安価な戦闘用ドローンが大活躍。莫大な軍事力がなくても大国相手に戦える時代に> 現代の戦争では、敵軍を追跡し、殺すことがかつてないほど容易に、しかも安くできるようになった──これが昨年秋、ナゴルノカラバフ地域を実効支配していたアルメニアと、アゼルバイジャンの間で起きた紛争で、米軍の戦略家たちに突き付けられた現実だった。 アゼルバイジャンが市販のトルコ製ドローンや自爆攻撃を仕掛ける「カミカゼ・ドローン」を使って、アルメニアに勝利したのだ。 今や、安価な戦闘用ドローンが世界中の戦場を飛び交っている。そう遠くない将来、警戒心のない兵士がトイレに行こうとちょっと持ち場を離れただけで、一瞬にして空から仕留められるようになるかもしれない。 「映像を見ると戦車や大砲、部隊が、いずれも無人航空機から攻撃されている様子が分かる」。そう語るのは、5月に退役する米陸軍・非対称戦連隊

    カミカゼ・ドローンで戦況は一変 米軍「最強」の座も危うい
  • 「一卵性双生児の遺伝情報は同一ではない」ことが明らかになってきた

    一卵性双生児は、同一の遺伝情報を持っていると思われてきたが...... heidijpix-iStock <一卵性双生児は、同一の遺伝情報を持っていると思われてきたが、近年、一卵性双生児の間で異なる遺伝情報があることが明らかになってきた......> 1つの受精卵が2つに分かれて生まれる一卵性双生児は、同一の遺伝情報を持ち、それぞれの身体的特徴や心的特性は、遺伝的要因よりも環境的要因によるものだと考えられてきた。 このような仮説を前提として、双生児を対象に人間の身体的特徴や心的特性に対する遺伝的要因と環境的要因の影響を調べる「双生児法」が様々な研究で用いられている。 宇宙環境がヒトにどのような影響をもたらすのかを解明する研究プロジェクト「ツインズ・スタディ」 初期発生段階で発現した突然変異で、一卵性双生児は異なる遺伝情報を持つ しかしながら、近年、一卵性双生児の間で異なる遺伝情報があること

    「一卵性双生児の遺伝情報は同一ではない」ことが明らかになってきた