普通,物理学の基本法則は直交直線座標系で示されます。しかし,実際の問題を解く場合,系が持つ対称性を利用して座標系を設定しなおすことがしばしば有効です。例えば,原子核とそのまわりを回る電子を扱うような問題では極座標(球座標)を用いて考察することが決定的に重要です。よく使われる座標系は他に円柱(円筒)座標,放物線座標などがあり,これらは直交曲線座標と総称される座標系の具体的な例となっています。これら直交曲線座標の一般論を知っておけば,公式集にまとめられている変換式,パラーメーターなどから機械的に各座標系で成り立つ関係式を導くことができます。関連ページとして,「実解析入門」15.積分変数の変換[#]を挙げておきます。 1.直交曲線座標の一般論(3次元) ここで,直交曲線座標の一般論を3次ベクトル空間で説明します(次元の拡張はほとんどの場合,容易です。) が,適時,具体例を参照してください。 [1