ポイント 量子コンピュータの内部で発生する量子的なエラーの影響の追跡は困難だと考えられていたが、正確かつ高速に評価する数値計算手法を新たに提案した。 複雑な重ね合わせ状態の中には、「見かけだけの」重ね合わせ状態があることを新たに発見した。これは量子コンピュータの高速化の原理の理解に一歩近づく成果である。 本手法により、量子コンピュータ実現のために基本素子に要求される性能を具体的に計算することが可能になり、量子コンピュータ開発の進展に寄与すると期待される。 量子コンピュータ注1)は、量子力学の重ね合わせの原理を活用して計算を行う技術で、素因数分解や量子化学計算などの問題を、現代のあらゆるコンピュータよりも高速に解けることが期待されているため、その開発が世界で盛んに進められています。実際の量子コンピュータは、わずかにエラーをもつ素子(量子ビット注2))を組み合わせて作られるので、それを訂正しな