先生が黒板に板書して、子供たちがノートに書き写す──そんな光景が、大きく変わろうとしている。安倍政権は「小中学生にパソコン1人1台」という構想をブチ上げた。これからの時代には必須なのかもしれないが、それに必要な予算は、いま政府が明らかにしている額より大きく膨れ上がる懸念がある。ノンフィクション作家・広野真嗣氏がレポートする。 【写真】文科相の萩生田光一氏 * * * 1月20日に召集された通常国会では、IRを巡る汚職事件の追及などに注目が集まるが、見逃せないのが政府の経済対策の中身だ。目玉のひとつが、小中学生がパソコンを1人1台使えるようにする「GIGAスクール構想」である。これに4000億円もの巨費が投じられようとしている。 まず小学5、6年と中学1年の全児童・生徒の約400万人分を教室に配備し、無線LAN環境を整える。さらに3年で小中の全学年で「1人1台」を実現する方針で、手始めに20