ちょうど株主総会のシーズン。それで思い出した。何かと言うと、野村総合研究所(NRI)の“決算の謎”である。NRIの決算短信などを見てもらうと分かるが、ここ数年、同社の通期決算は第3四半期までの決算に比べて、営業利益率が必ず良くなっている。不思議なことだなあと思っていたのだが、少し前に、その謎解きをしてもらったことがあった。 第4四半期に、いつも利益率の高い優良案件の売上を計上できているから----と説明できれば簡単だが、そうは都合良くはいかないし、NRIは会計処理に進行基準を採用しているので、そもそも論として、そのようなことはあり得ない。進行基準は、検収書をもらってから売上計上するというITサービス業界でお馴染みの会計処理(完成基準)とは異なり、システム開発の進捗状況に合わせて売上を“分散計上”するやり方だ。 実は、この進行基準という会計処理方法に、通期の利益率を跳ね上げるメカニズムが組み