フーテン老人世直し録(710) 葉月某日 猛暑の8月第2週は、これからの日本が米国と中国との間で複雑怪奇なバトルロイヤルを繰り広げていくことになると予感させる1週間だった。 そう書くと、岸田総理は安倍元総理以上に米国の言いなりで、米国には頭が上がらないと考える読者は首をひねるかもしれない。 しかし政治家というのは単純でない。言いなりになるところを表であからさまに見せる時には、必ず裏で違うことを仕組んでいるものだ。だから岸田総理が米国の言いなりであることを見せれば見せるほど、フーテンはその裏側に注目する。 例えば1年前の8月10日、岸田総理は9月に行われる予定だった内閣改造人事を急きょ前倒し、メディアはみな旧統一教会と関係のある閣僚を交代させるためだと報道した。しかしフーテンは違う見方をしていた。 岸田総理が前倒しを決断したのは8月5日である。その前日の4日に中国の王毅外相が予定されていた林