においで周囲を不快にさせる嫌がらせ「スメルハラスメント」(スメハラ)が広がりをみせている。高温多湿で汗のにおいがこもりやすい季節が到来し、職場の同僚の体臭に悩まされ、業務に集中できない人も少なくない。ただ、においの指摘は人の尊厳を傷つける可能性もあり、難しい問題となっている。新型コロナウイルス禍の収束でマスクなしの対面での仕事が増えたこともあり、企業は対応を迫られている。 精神的に追い詰められる「スメハラで精神的に追い詰められてる」「職場でのたばこの匂いが気になる」-。SNS(交流サイト)では連日のようにスメハラ被害の事例が投稿されている。体臭以外にも口臭やたばこ、香水、柔軟剤のにおいなど、周りを不快にさせるにおいは多岐にわたる。 大阪市中央区の女性会社員(30)は職場での50代男性の体臭やたばこのにおいに悩まされており、「業務中に頭が痛くなるなど体調に支障をきたすことがある。離れた席に座