早起きじいさんのひとりごと。柳田国男の話、商品世界論、1970年代論、読み残した本の紹介、気まま旅の記録など。 安直な気持ちで読みはじめたが、途中で、これは手に負えないと気づいた。 しかし、乗り出した船である。途中で投げだす可能性は高いが、ともかく最後まで目をとおそうと思っている。まだ2章にはいったところである。 前回、負債の特徴は、それが貨幣で計算され、貨幣で返済を義務づけられることだと書いた。すると、負債の歴史は、貨幣の歴史にほかならないことになる。 経済学では、貨幣は物々交換から生まれたとされるのが一般的である。 ほんとうにそうだろうか、と著者は疑う。 なぜなら、双方の欲求が一致しなければ成立しない、物々交換ほどむずかしいやりとりはないからだ。ところが、経済学では、その不便さを解消するために貨幣が生まれたというのだ。 紀元前330年ごろ、アリストテレスはすでにこう考えていた。もともと