東京電力福島第1原発の現場取材報告の後編では、事故発生当初から収束作業の大きな障害となってきた汚染水の問題を取り上げる。溶け落ちた核燃料(デブリ)の冷却水に、地下水や雨水が加わって水かさが増す。数々の対策を講じ、流入量は減ったものの止まってはいない。汚染水処理で発生する高濃度汚泥をどう貯蔵するか新たな難問も浮上している。(山川剛史) 今回の取材では、数あるタンク群の中で、最も南側のエリアも含めて回った。放射性セシウムなどは除去されているため、放射線量は毎時1マイクロシーベルト前後と、タンクに囲まれた場所でも、タンクからの線量はほぼない様子だった。