地動説をテーマに「真理」を追究する人々を描いた漫画が話題を呼んでいる。漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に連載中の「チ。-地球の運動について-」だ。作者は弱冠23歳の魚豊(うおと)さん。新進気鋭の漫画家に、作品でも描かれた変革期の生き方について聞いた。 漫画は15世紀の中世ヨーロッパで、地動説が異端思想として激しく弾圧されている架空のP王国が舞台だ。そこで、真理を探究する若い研究者や学生らが、地球が他の惑星とともに太陽の周りを回っているとする「地動説」の証明に命を懸ける姿を描く。随所にちりばめられたプラトンなど古代ギリシャの哲学者の言葉が、登場人物のパンチラインを補強する作風に、表現への強いこだわりが感じられる。 2020年9月から連載開始。同年に発刊された漫画を対象に書店員らがお薦めを選ぶ「マンガ大賞2021」で2位に輝くなど脚光を浴びた。現在3巻まで出ている単行本の総発行