TSMCの新工場。周辺には農地が広がり、収穫期を迎えたキャベツが並ぶ=熊本県菊陽町で17日、城島勇人撮影 給与高騰 地元企業お手上げ 半導体受託製造の世界最大手「台湾積体電路製造(TSMC)」の熊本県進出は、地域のインフラ環境を激変させている。 熊本、大分両市を結ぶ「中九州横断道路」(総延長約120キロ)は大分側の整備が先行し、熊本側は進んでいなかった。ところが、TSMCの進出が決まると整備は一気に加速。新工場に近い熊本県合志(こうし)市に新設する合志インターチェンジと、九州道に新設される熊本北ジャンクションを結ぶ区間(約9・1キロ)の整備費約24億円が国の2023年度当初予算に盛り込まれた。 前年度比で4・4倍となる急増に、国に毎年陳情を続けてきた沿線自治体の市長は「突然変わったのは何なのか」と苦笑いを浮かべる。TSMCの工場が建つ同県菊陽町の幹部は「国策のスピード感を感じる」と驚きを隠