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国際主義、ヒューマニズム そんな緒方氏の眼に映る世界は、相互依存の関係にあり、特に日本のような規模の国は、平和も繁栄も一国のみでは達成できないために、世界の事柄に関与する必要がある。これが全ての前提であり、氏の国際主義の本質であった。この考え方は終始一貫していたといってよい。難民保護も開発援助も同じである。そのため、日本を含む各国での内向き傾向をことさらに憂いたのである。 緒方氏の活動の根底にあるのはヒューマニズムなのかとの問いには、「そんな大それたものではない、人間としての普通の感覚」(250ページ)だと喝破する。耐えられない状況に放置された人間や凄惨な現場を見てきたという緒方氏は、「見てしまったからには、何かをしないとならないでしょう? したくなるでしょう? 理屈ではないのです」(同)と語る。 インタビューに応じる緒方貞子さん=2008年1月(時事) 人間の優しさと同時にヒューマニズム
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