2018年8月23日,CEDEC 2018の2日めに行われたセッション「ブレイン-マシン・インタフェースの基礎と応用・発展」は,脳を使って行うマシンの制御,つまり「考えただけで動かす」という,ある意味夢の技術分野での最先端の研究をうかがい知れるものとなっていた。ゲームに直接関係するものではないが,インタフェースの未来の一端を示すものとして,電気通信大学情報理工学研究科教授 宮脇陽一氏の講演を紹介しておきたい。 ブレイン-マシン・インタフェース,つまり脳と機械のインタフェースというと,脳波を使ったものを連想する人が多いかもしれない。この講演では,脳への電極や,脳波,脳血流量など脳の信号や動きを調べる方向,さらには脳に信号を送り込む方向での研究の事例が紹介された。 宮脇氏が研究を進めている「計算論的神経科学」は脳の機能を調べる学問で,「脳の機能を,脳と同じ方法で実現できる計算機のプログラムある
シェーダーとは仮想の3D空間に存在するオブジェクトを2Dのモニターに表現するためのプログラムのことであり、フォトリアルやトゥーン調といったビジュアルのテイストをコントロールするためにも重要な要素だ。PS3やXbox 360といった前世代機の頃から、このシェーダーを自由にカスタマイズするプログラマブルシェーダーという技術が発展してきた。今では全体のグラフィックスのライティングやテイストを決定づけるだけではなく、さまざまなエフェクトやビジュアル表現にもシェーダーを利用することが一般的だ。 カプコンの高木康行氏。 2018年8月23日に開催されたCEDEC 2018では、カプコンの高木康行氏による「『モンスターハンター:ワールド』 アーティストによるシェーダー作成のノウハウ」という講演が行われた。シェーダーをプログラミングするのはプログラマーであったり、テクニカルアーティストだったりするが、本講
ビデオゲーム業界で成長を続けるカナダ。UBIモントリオールをはじめ、有力なスタジオが拠点にしていることも多く、インディーゲームに目を向けてみても、昨年高い評価を得た『Cuphead』を制作したStudioMDHRがカナダに所在を構えている。 今回のセッションではUBIハリファックスの運営を担当しているグエネール・エリオ氏の経歴と仕事内容を通して、なぜ海外企業がカナダのゲーム産業に進出しているのかを語っていた。グエネール氏はもともとはフランス生まれであり、2000年のはじめからカナダに移った経歴を持っている。 カナダにおける各地でのゲーム制作会社の分布。今回のセッションを担当するグエネール氏が運営するUBIハリファックスはスライドの右側、カナダ東部のノバスコシア州にある。 国内でおよそ596もの会社があり、そのうちの17%は海外からの会社 カナダはではビデオゲーム産業が盛んであり、5つの盛ん
[CEDEC 2018]ロボットと人間の関係性に注目した「弱いロボット」の可能性 ライター:徳岡正肇 豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 教授 岡田美智男氏 ロボットには「部分的にであれ人間の持つ力を越えた存在」といったイメージを持つ人が多いのではないだろうか。例えば工業用ロボットは,人間より素早く正確に作業を終わらせるし,力仕事においても人間の筋力を上回ることは珍しくない。要は,特定分野に限れば,ロボットは人間よりも強いわけだ。 また,ロボットは「人間の代わりに仕事をしてくれる存在」と考えられることも多い。愛玩用ロボットもあるが,どちらかといえば例外的な存在であり,ロボットという言葉の語源(※)を踏まえても「人間のために労働する」側面はロボットから切り離し難いように思える。 しかし,そういったイメージがロボットの持つ可能性のすべてではない。むしろロボットが「弱い」ことや「できない」ことに
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