気象庁は地域気象観測システム(アメダス)のうち、山岳部に位置する観測点74か所を20日までに廃止することを決めた。 観測点の廃止としては過去最高の規模で、対象には、国内の1日当たりの最多雨量記録(844ミリ、1982年8月1日)を持つ日出岳(奈良県上北山村)も含まれている。 同庁によると、廃止対象は日出岳のほか、青森県の八甲田山や群馬県の赤城山など28道府県の74か所。雨量計凍結のおそれがある冬を除き、多くが30年以上にわたって、雨量を自動観測してきた。44か所は既に2日に廃止され、残りも20日に廃止される。 レーダーなどで雨量を推定する解析雨量の精度が向上したことを受けたもので、保守費など年間700万円余りが節減できるという。 山岳部の雨量は下流の洪水予測にも活用されているが、同庁では「観測技術の向上で防災上の影響は少ない地点を選んでおり、費用対効果を重視した」としている。