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2014年5月13日のブックマーク (2件)

  • 今和次郎『日本の民家』:民家の持つ合理性を見抜いた名著 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    の民家 (1937年) Amazon 久しぶりに読んだ。考現学の今和次郎が、日の民家をあちこち調べてまわって記録した。学生の頃に一度読んだ記憶があるが、ほとんど忘れていたけれど、こんど、「今和次郎「日の民家」再訪」を読んだときに記憶を復活させるために読み直した。 すごくいい。分析は日の漁村や農村にある各種の民家の構造や道具が持つ合理性を中心に記述されていて、失われゆく日の民家などについてのノスタルジーはあるものの、最小限。気候、産物、経済、その他各種の条件が民家の構造には関係していて、当然ながら各地で取れる産物をそのまま使わなくてはならない。それが独特の形を生む。その記述をスケッチがうまく補って、見ていて飽きない。 マルセル・モースとか、イザベラ・バードとか異人さんの日旅行記にはこれに近い印象のものがかなりある。日人の地方記述期は、都会人の変な幻想が垂れ流されてることがや

  • 瀝青会『今和次郎「日本の民家」再訪』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    今和次郎「日の民家」再訪 作者: 瀝青会,中谷礼仁,石川初,菊地曉,福島加津也,御船達雄,清水重敦,大高隆出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2012/03/25メディア: 単行購入: 5人 クリック: 166回この商品を含むブログ (12件) を見る 今和次郎の名著『日の民家』は、大正期の何の変哲もない民家の記録分析として今でも実におもしろい書は、そこに登場する民家を再訪し、その変化を記述したものだ。 こんなが成立すること自体が驚きだ。この九〇年を経て、かなりの家がまだ残っている! むろん消えたものも多く、残った場合でも昔通りではない。だが、その変化こそ書の注目点でもある。 変化の理由はおなじみのものだ。都市化、経済基盤変化、道路拡幅……。元のでの今の注目点は、それぞれの民家が持つ自然や経済の環境に対する合理性だった。書の分析は、周辺の変化と家の変化の関わりを細かく捕ら

    瀝青会『今和次郎「日本の民家」再訪』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」